自閉症の息子は11歳、気付けば小6…将来は就労? 不安に押しつぶされそうな母が見いだした“一筋の光”

わが子に合う進路の目安を持つ

手先が器用で、紙をちぎるなどの細かい作業が得意な息子(べっこうあめアマミさん作)

 いざ「進路」と言われても、抽象的過ぎて分かりにくいものです。では、どうやって選べばいいのでしょうか。

 1つの目安として、このように考えると分かりやすいかもしれません。

「雇用契約を結び、給料をもらって働きたい」ならA型。

「マイペースで無理なく作業をしたい」ならB型。

「生活面のサポートが中心になる」なら生活介護。

 とてもシンプルですが、この3つの軸があるだけで、ぐっと整理されます。これだけでも、「今のうちの子ならどれが近いかな」と考えやすくなりました。

 もちろん、子どもは成長とともに変わっていきます。一度決めたらそれで固定するのではなく、その時に合った場所を選べばよいのです。

 大事なのは、「うちの子に合う方向性」をぼんやりとでも持っておくこと。この小さな意識が、将来の安心につながるのではないでしょうか。

小学生の今からできる準備を始める

 最後に、いちばんお伝えしたいことです。進路は、卒業直前に急に決まるものではありません。障害がある子の場合、中学、高校で少しずつ作業所見学や体験をしていって、相性を見ていかなければなりません。

 そして、日々の積み重ねが未来につながります。

 どの進路でも共通して大切なのは、「毎日通う力」です。例えば、「朝起きる」「決まった時間に座る」「短い間でも何かに取り組む」という、こうした一つ一つが、将来の土台になります。

 特別なトレーニングではなく、生活の中の小さな習慣でいいのです。それが、進路の土台になるのだと思います。

子どもの将来に向けて

「この子は学校を卒業した後、どう過ごすんだろう」

 まだ幼い息子に「大人になってからの働き方」なんて早いようにも思っていましたが、気付けばちょっと前に小学校に入学したと思っていた息子が、もう小学6年生です。そう考えると、高校卒業後なんてあっという間なのでしょう。

 A型作業所、B型作業所、生活介護。

 どれも名前だけでは分かりにくいけれど、中身を知ると「わが子の未来の選択肢」がクリアになります。

 そして何より大切なのは、わが子に合う形を見つけていくこと。私もまだ、答えを出す途中にいます。

 それでも、「知らないこと」が減るだけで、未来への不安は確実に小さくなりました。もし今、私と同じように障害を持ったわが子の将来に不安を感じている人がいたら、まずは一つずつ知っていくことから始めてみませんか。

 例えば、これまでなんとなく前を通り過ぎていた地域のお店や会社が、実はA型作業所だったりB型作業所だったりするかもしれません。

 実はそういった場所は、身近にいくつもあると思います。それらに注目して地元を歩いてみること。その小さな一歩が、きっと将来の安心につながっていくはずです。

(ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ)

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べっこうあめアマミ(べっこうあめあまみ)

ライター、イラストレーター

知的障害を伴う自閉症の息子と「きょうだい児」の娘を育てながら、ライター、電子書籍作家として活動。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害のある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信をツイッター(https://twitter.com/ariorihaberi_im)などの各種SNSで続けている。障害児育児をテーマにした複数の電子書籍を出版し、Amazonランキング1位を獲得するなど多くの障害児家族に読まれている(https://www.amazon.co.jp/dp/B09BRGSY7M/)。「べっこうあめアマミ」というペンネームは、障害という重くなりがちなテーマについて、多くの人に気軽に触れてもらいたいと願い、夫と相談して、あえて軽めの言葉を選んで付けた。

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