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卵の栄養、ゆですぎると「損」!? 調理の仕方で“たんぱく質”の吸収率が“2倍”も変化…選ぶべき“硬さ”は?

生卵と火を通した卵とでは、栄養は異なるのか、管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

生卵とゆで卵、どっちの方が栄養はあるの?
生卵とゆで卵、どっちの方が栄養はあるの?

 卵を食べると、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素を摂取することができます。生食や加熱など調理法は多彩ですが、卵には熱に弱いビタミンB群や葉酸も含まれています。そこで、生卵と加熱した卵とでは、摂取できる栄養素や栄養の吸収率に違いがあるのかについて、管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

効率的に栄養を摂取できるのは半熟卵

Q.そもそも、卵に含まれている栄養素を教えてください。

岸さん「卵は『完全栄養食品』と呼ばれ、良質なたんぱく質と脂質のほか、ビタミンA、B群、D、Eなどのビタミン類や、鉄、亜鉛などのミネラル類を豊富に含みます。一方で、ビタミンCと食物繊維は含まれていないのが特徴です」

Q.生卵と加熱した卵とでは、摂取できる栄養素は異なるのでしょうか。また、栄養の吸収率についてはいかがでしょうか。

岸さん「含まれている栄養の種類や内容は変わりませんが、栄養素の吸収率が変わるものがあります。例えば、たんぱく質は加熱すると構造が変わって消化しやすくなり、吸収率が90%以上と高くなります。一方、生卵は一部のたんぱく質が消化されにくく、吸収率は50%程度とやや低くなります。

生卵、特に白身は、卵白に含まれるアビジンが肌や髪の健康に必須のビオチンの吸収を阻害する可能性があります。加熱することでアビジンは働かなくなるため、ビオチンを吸収したい場合は加熱した方がよいですが、毎日大量に生卵を食べない限り、通常の食事ではビオチンの欠乏症になるという問題は発生しません。

また安全性について、生卵はごくまれにサルモネラ菌汚染のリスクがありますが、十分に火を通せばほぼ安全です。小さな子どもや高齢者、妊娠中の女性、あるいは体調が優れない時は生食を避け、加熱して食べるとよいでしょう」

Q.卵の栄養を最も効率的に摂取できる調理方法や料理を教えてください。

岸さん「栄養素を最も効率的に摂取できる調理法は半熟卵です。温泉卵や半熟のゆで卵がおすすめです。加熱することでたんぱく質の吸収率を高めつつ、加熱し過ぎないことでビタミンの損失を抑えられ、安全性を確保できるからです」

Q.栄養面で、卵と一緒に摂取した方がよい食材を教えてください。

岸さん「油と一緒に組み合わせて調理すると脂溶性のビタミンの吸収率がよくなるので、卵に不足しているビタミンCや食物繊維を含むピーマンやホウレンソウ、ブロッコリーなどを使い、具だくさんのオムレツや卵炒めにすると栄養価がアップします。献立を組み立てる時に卵を主菜とするのであれば白米やパンを主食とし、卵と野菜を組み合わせた料理や、副菜としておひたしやサラダで野菜や果物を摂取するようにするとバランスがよくなります」

Q.卵と一緒に食べると、栄養の吸収を妨げてしまう飲食物はありますか。

岸さん「コーヒーや緑茶のカフェインやタンニンが、ビタミンやミネラルの吸収を阻害したり、アルコールがたんぱく質の合成を邪魔したりすることもありますが、卵との食べ合わせに限ったことではありません。多少、阻害要因があっても影響は限定的なので、食事全体の量やバランスを大切にしましょう」

(オトナンサー編集部)

【画像】「え! まじか!」 これが、卵と「一緒に食べるべき」おすすめの食べものです!

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岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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