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結婚は「仕事に悪影響」6割、離婚は「好影響」7割の現実 6人の男性のケースから

結婚、出産、そして離婚。人生のさまざまなライフイベントは、仕事にどのような影響を与えるのか、6人の男性のケースから考えます。

結婚や離婚は仕事にどう影響する?
結婚や離婚は仕事にどう影響する?

 最近、「働き方改革」の5文字を目にしない日はないと思いませんか。それもそのはず、働き方改革の関連法(労働基準法など)が施行されたのは2019年4月。メディアは約1年かけて、「これでもか!」というほど「働き方改革」を連呼したのだから。

 もともと、働き方改革は「長時間労働の解消」「非正規社員と正規社員の格差是正」「高齢者の就労促進」の3本柱だったはず。しかし、難しいことは置いておいて分かりやすさを優先し、そして、男性より女性ウケを優遇したため「働き方改革=夫の仕事を減らし、家事育児を増やす」というイメージが定着した印象です。

 具体的には、時間外労働(残業や休日出勤など)の減少と育児休暇の取得奨励です。例えば、24時間営業の見直しを検討したり、元旦営業を廃止したりするコンビニ、営業時間を短縮するファミレスなど各業界で動きが出ています。

 働き方改革には功罪両面があります。例えば、上司に「定時なんで」と言えば、営業部のノルマが未達でも残業を断れるし、顧客に「息子のお迎えが」と言えば、前々から約束していた商談を延期できるし、取引先に「政府の方針なので」と言えば、代々続いていた接待ゴルフも中止できる…働き方改革はまるで水戸黄門の印籠です。

 もちろん、浮いた時間を子どもの送迎や家事の分担、そして、行事への参加などに回す清廉潔白な夫ばかりなら結構です。しかし、これは夫婦関係がある程度、円満な場合に限られます。もし、一つ屋根の下に住んでいるのにほとんど会話はなく、できるだけ顔を合わせないように気を付け、どこで何をしているのかも知らず…妻とすれ違ってばかりの夫が働き方改革で時間を余らせたらどうなるでしょうか。

 早く仕事が終わったら、飲みに行ったり、キャバクラで遊んだり、妻以外の彼女を口説いたりするだけです。働き方改革のせいで残業代がカットされ、小遣いが減ったのでギャンブルで穴埋めしようとパチンコやスロットにハマることも予想されます。性欲や金欲の薄い草食系夫は漫画喫茶などで時間をつぶすでしょう。

 一方で、働き方改革によって、妻子が寝静まるまで家に帰りたくない夫、「フラリーマン」が生まれることが懸念されます。仕事の時間を減らし、家庭の時間を増やせば仕事のやる気が増すというのが理想的な展開ですが、そもそも、妻子の存在は仕事にどのような影響を与えるのでしょうか。

 今回は、筆者の男性相談者103人に聞き取り調査を行いました(回答者はすべて仮名)。まず「結婚が仕事に与えたのは良い影響、悪い影響のどちらか」の問いに対して、37人(36%)が「良い影響」、66人(64%)が「悪い影響」があったと回答しました。注目すべきは、全体の6割以上が結婚したせいで「仕事がうまくいかなくなった」と感じていることでしょう。

 具体的なエピソードを見ていきましょう。

 1人目は「家庭を持ったことで仕事がはかどらなくなった」と答えた笠井順平さん(42歳、長野市、結婚9年)。「仕事用のメールアドレスへ、妻からの不愉快なメールが多く入ってくるのですが、そのせいで職場でのパフォーマンスが下がったと感じています」。家のこと、子どものこと、ささいな愚痴まで妻は順平さんにメールで送ってくるようで、いちいち気が取られてなかなか仕事に集中できなくなってしまったそう。

 それだけではありません。順平さんは続けてくれました。

「なるべく娘と過ごすため、仕事はさっさと切り上げるようにしています。今はだいぶ慣れましたが、最低限のことを済ませるにとどまっています。でも正直、がっかりすることも多いですよ。この前も急いで帰宅したのに娘は疲れて就寝していたり、せっかく一緒に風呂に入ろうと思っていたのに、妻と先に入っていたりするとね」

 2人目は「損してばかりです」と言う高橋和樹さん(45歳、茨城県古河市、結婚15年)。「妻と同じ職場なのですが、人事異動のときに、そのことが私にとって損になりました。私がある部署に行きたいという希望を出しても、妻がその部署にいる限り配属してもらえないのです」。既に同じ課に12年も所属しているので、仕事へのやりがいもうせてしまったそう。

「絶対に同じ職場の女性と結婚しない方がいいですよ! 何かにつけて自分にとってマイナスになります。妻が同じ職場で仕事を続ければ、なおさらです」と、和樹さんは力強く断言します。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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