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不倫という“底なし沼”にハマる心理~4人のケースから~

筆者が不倫経験者に行ったアンケートで、男女共「精神的メリット」が1位に。実際に、不倫の底なし沼にハマってしまった経験者の声を紹介します。

不倫が報じられた(左から)東出昌大さん、唐田えりかさん(2018年5月、AFP=時事)
不倫が報じられた(左から)東出昌大さん、唐田えりかさん(2018年5月、AFP=時事)

 2020年1発目の文春砲には驚きましたね。3人の子どもに恵まれ、温かい家庭を築き、まるで朝ドラの世界が現実化したような、おしどり夫婦…そう思われていた東出昌大さんと杏さんが現在、離婚の危機だとは。報道によると、東出さんは共演していた当時、未成年だった女優に手を出したとのこと。

 現在、東出さんは家から閉め出され、別の部屋を借り、別居状態のようです。温かい家庭で美人の妻、双子の赤子が待っているのになぜと首をかしげたくなりますが、東出さんは最初、「別れる」と約束したので事なきを得たようですが、約束を守らず彼女と連絡を取り合っていたので再度、杏さんに見つかった模様。

 東出さんが、きちんと約束を守っていれば別居に至らなかったかもしれませんが、なぜ家庭を顧みることができなかったのでしょうか。時系列をたどると、東出さんの不倫が発覚したのは、杏さんが第3子を妊娠している最中。筆者は数々の離婚相談に乗ってきましたが、「妊娠中の不倫」は芸能人に限らず、一般人でも起こり得る悲劇。毎年、必ず数件は耳に入りますが十中八九、離婚するので、東出さん夫婦も心配です。

 最初から「妻以外の女」を口説かなければ、妻に見つかった時点で別れていれば、彼女から誘われても断り続けていれば、最悪の事態は防ぐことができそうですが、不倫とは「かっぱえびせん」のようなもの。一度始めたら歯止めがきかず、「やめられない、止まらない」のです。

 それは、当事者にとって不倫の“メリット”がデメリットを上回るからに他なりません。不倫の善悪ではなく「なぜ」の部分に焦点を当てなければ、今回のケースを理解することは難しいでしょう。

 まず、不倫のメリットを知るべく、筆者が経験者226人(男性46人、女性180人)に行ったアンケートを紹介しましょう。

 まず「不倫にいくらの価値があるか?」の問いに対して、全体回答の平均は4493万円 。ところが男女別で見ると、女性の平均は5339万円で、男性(1182万円)の5倍でした。特に印象的なのは、女性には「ゼロ円回答」(「付き合わなければよかった」「失うものが大きすぎた」…)がいなかったことです。

 次に「何に対してメリットを感じるか?」の問いですが、1位は男女ともに共通で「精神的メリット」。男性の23%が「仕事でいい結果が出る」「心の癒やし」「人生が充実する」、女性の12%が「10歳も若く見られる」「心の隙間を埋めてくれる」「気持ちが豊かになる」と答えており、そこに男女の違いは見いだせません。一方、女性の2位は恋愛的メリット(11%)、男性の2位は肉体的メリット(13%)と結果が分かれました。

 不倫に5339万円の価値を見いだしている女性ですが、主な回答は独身時代への回帰願望(「結婚しても、何歳になってもドキドキしたい、ときめきたい」「独身の頃のように恋愛したい」)と、快楽最大化への手段(「障害のある恋の方が刺激的」「夫では味わえない高揚感」)の2つです。精神的メリットは無限大のようで、「新しい命を得た気がします」という女性もいます。

 人の気持ちは目に見えないので理解に苦しむことが多いのですが、不倫も例外ではありません。なぜ、不倫は一度始めると底なし沼へ…途中で引き返すことができず、ドツボにハマってしまうのでしょうか。今度は不倫経験者の生の声を紹介しましょう。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

コメント

1件のコメント

  1. 今は、既婚女性だって自由恋愛の時代ですよ!
    殆ど皆んな楽しんでます。