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不倫という“底なし沼”にハマる心理~4人のケースから~

結婚後、別れたはずの女性と再会し…

 まず、1人目は橋本拓也さん(36歳、既婚、老人保健施設の職員)。彼女は職場の同期入社で、一緒に研修をしたり、連絡事項を回したり、最初はあくまで「同期の一人」だったそうです。

「僕も彼女も車が趣味だということが分かると、『一緒に走りに行こう』『乗せてあげる』と誘われるようになりました」

 拓也さんはそう言いますが、即答で快諾したそうです。なぜなら、彼女は拓也さんよりグレードの高い車を持っていたから。それから、何度もツーリングに行っているうちに、そういう関係(肉体関係)になったとのこと。

「でも当時、僕には、別に付き合っている人がいました。そのことは彼女も知っていて、彼女との関係は『僕が結婚するまで』と約束していたのです」

 それから2年後、拓也さんは今の妻と結婚し、彼女とはきちんと別れたはず、でした。彼女も拓也さんのことを諦め、別の男性と付き合い始めたと聞いて安心していたのですが、突然、深夜に彼女からメールが届いたそうです。返事をしないでいると、さらに電話が鳴ったのです。彼女の話によると、新しい彼氏にストーカーまがいのことをされ、困っているとのこと。

「僕は嫁の目を盗んで、彼女のところに飛んで行ったのですが、彼女は明らかに体調が悪く、精神的に不安定で、このまま放っておけない感じでした」

 拓也さんはざんげしますが、彼女を抱き締めて結局、一晩を明かしてしまったそうです。それからというもの、彼女とは結婚する前の関係に逆戻りしてしまったのです。

「別に嫁に不満があるわけではありません。もちろん、彼女とは何度も別れようと思いましたが、彼女にとって僕が必要なのだから仕方ありません。嫁もそのことは分かってくれていると思います」と、拓也さんは苦しい胸の内を明かしてくれました。

 2人目は、病院に勤務する外科医の草木慎吾さん(36歳、既婚)です。彼女は同じ病院の看護師で、1年前から肉体関係が始まったそう。月1~2回のペースです。慎吾さんにとっては単なる遊びでした。

「気持ちの結びつきはなかったと記憶しています。長女はちょうど1歳になるのですが、家内とは妊娠が分かってからというもの、セックスレスに陥りました。たまたま近くに、簡単に体の関係を持てそうな相手がいました。それが彼女です。彼女は僕に妻子がいることを知っているし、そんな関係がいつまでも続くとは思わず、本当に軽い気持ちでした」

 慎吾さんはそう振り返りますが先月、彼女の方から「そろそろ終わりにしてください」と別れを切り出してきたそうです。しかし、慎吾さんにはどうしても彼女と別れられない理由がありました。妻が次女を妊娠したのです。

「僕にだって罪悪感はあります。実は、家内は自分の病院で長女を出産しているのです。入院中、彼女が家内や娘の世話をしているわけですが、僕と彼女がそんな関係だと知ってしまったら…」

 慎吾さんは焦った様子でそう言いますが、性的欲求は抑えきれなかったというのが本音ではないでしょうか。今となっては「妻が悪いんだ」と無理やり気持ちを整理し、彼女と会っているそうです。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

コメント

1件のコメント

  1. 今は、既婚女性だって自由恋愛の時代ですよ!
    殆ど皆んな楽しんでます。