不倫という“底なし沼”にハマる心理~4人のケースから~
不倫によって“やけど”をしたケース
次に不倫のデメリットですが、禁断の愛に熱くなりすぎると“やけど”をすることも。不倫は配偶者を傷つけるので法律上、損害賠償の対象です。墓場まで持っていければよいですが、最後まで隠し通せなかった場合、慰謝料を払わされるケースもあります。妻子ある身でも自由に恋愛したい、たまたま好きになった相手が人妻だっただけという言い訳は通用しません。
例えば、香取敦さん(41歳)は妻が依頼した信用調査会社に尾行されていると気付かず、彼女とホテルに入る瞬間と、翌朝、ホテルから出てくる瞬間の写真を撮られていたそう。過去の判例(東京地裁、平成19年5月31日判決)によると、これらの写真は2人が部屋で性交渉に及んだ事実を証明するのに十分です。
妻が彼女へ慰謝料を請求し、彼女は200万円の慰謝料を払わされたのですが、実際には敦さんが立て替えたようです。だからといって妻が離婚に応じたわけではなく、妻は一向に首を縦に振る気配はなく、今のところ200万円は無駄金に。
お忍びデートは、自分たちの存在に気付かれないように注意するのが鉄則ですが、中井哲弘さん(29歳)は人妻に夢中になりすぎたようです。花火大会の会場で彼女の頬にキスをしたり、彼女の頭を肩にもたれかからせたり…見せびらかすような振る舞いのせいで、彼女の友人家族が一部始終を目撃していたのです。「どういう神経してるんだ!」と後日、彼女の夫から叱責され、150万円の慰謝料を支払うハメに。
吉田純也さん(46歳)はすでに妻と別居中。一人暮らしの賃貸の駐車場に彼女の車がとまっていることを妻に感づかれ、ナンバープレートを写真に撮られたのでシラを切ることは難しかったようです。慰謝料なしで離婚するつもりが、彼女の存在を知られたせいで300万円の慰謝料を支払う結果に。
岡田亮介さん(41歳)はスマートフォンを機種変更したとき、パソコンに残したバックアップを妻に見られてしまい、「大好きだよ。2人で頑張ろうね」「おうちで時間を気にせずゆっくり過ごしてみたい」という求愛のSMSメールが残っていることが発覚。妻に許しを請うために財形貯蓄の200万円を渡すことに。
法務省の司法統計によると、夫婦が離婚する場合、結婚期間別の慰謝料の平均は以下の通りです。
1年未満 140万円
1~5年 199万円
5~10年 304万円
10~15年 438万円
15~20年 534万円
20年以上 699万円
一方、不倫相手の慰謝料についての統計は存在しませんが、過去のケースでは100万~200万円程度です。家庭に居場所がない夫が口説くことができる女性は、同じように家庭(実家)や職場に居場所がないタイプで、似た者同士が引かれ合う図式です。女性は仕事で目立った活躍をしているわけではなく、年収は決して高くないので慰謝料も低く抑えられます。
ここまで、不倫のメリット/デメリットについて取り上げてきましたが、不倫をしている本人はメリットばかりに目が行きがちです。しかし、相応の代償を支払わなければならないので、本当にメリットがデメリットを上回るかどうかをきちんと考える必要があるでしょう。
(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)
今は、既婚女性だって自由恋愛の時代ですよ!
殆ど皆んな楽しんでます。