不倫という“底なし沼”にハマる心理~4人のケースから~
相手の気持ちが離れたのを感じた女性は…
3人目は橘高朱里さん(大手電機メーカー勤務、25歳、未婚)。同じ会社の同じ部署にいる、妻子持ちの彼と付き合っているそうです。
「はじめのうちは奥さんにバレないよう、いろいろ気を使っていました。例えば、うちの会社は携帯を支給されているので、デートの約束は勤務時間内に携帯で取っていました。もちろん、奥さんは携帯の存在を知りません」
朱里さんは彼との交際の息苦しさを口にしますが、制約付きの恋愛だったからでしょうか。しかし、付き合い始めから3カ月が過ぎる頃にはだんだんと関係がマンネリ化してきて、彼の気持ちが朱里さんから離れていくのを感じたのです。
「先週、彼がデートの約束に大幅に遅刻してきたので、私は彼を試すために会社の携帯ではなく、プライベートの携帯にメールを送ってみたんです。『25分も待っちゃった。先にビール飲んでもいい?』と」
朱里さんは意地悪そうな顔で言いますが、『今日どこで会うんだっけ?』と返ってきたようです。彼は待ち合わせの場所を知っているはずなのに…朱里さんは直感で分かりました。奥さんが彼の携帯を使ってメールを返してきたのだと」
「このことを彼に話すと、彼は一瞬で真っ青になりました」
朱里さんは喜々として話しますが、彼は思い知ったはずです。朱里さんを大事にしないとどうなるのかを。彼との恋愛はさまざまな制約がありますが、今ではそれも含めて楽しんでいるそうです。
4人目は関内律子さん(32歳、未婚、看護師)。律子さんは7年間、同じ病院、同じ科の医師と付き合っているそうです。
「先生は尊敬できる医師の一人でした。でも、はじめは既婚の人と付き合うつもりなんて全くなかったし、こんなに長い間、関係が続くとは思っていませんでした」
律子さんは当時の気持ちを言葉にしてくれましたが、24時間、緊迫した中で仕事をする日々で、共通の話題といってもだいたいは仕事の話だそうです。一日を振り返って「あれでよかったのか」「こうすればよかったのではないか」とお互いに愚痴をこぼしているうちに、恋愛感情が生まれたといいます。
緊迫した空気から抜け出したときに、ホッとできる時間が欲しかったのです。少なくとも律子さんはそうでしたし、彼もきっと同じだと信じていました。
「先生にとって私は『彼女』なのか、それとも『愛人』なのか。先生の気持ちはよく分かりません。ただ、私は少なくとも先生の『彼女』だと思っています」
律子さんは言葉を絞り出しますが、仕事の愚痴を嫌な顔せず聞いてくれるし、体力的、精神的につらいときは、いつも優しい言葉をかけてくれるので、彼は「心の支え」だったのです。
「もちろん、先生に奥さんがいる以上この関係を断ち切りたいと何度も考えました。でも、私だって一人の女性です。できることなら先生と結婚し、家庭を持ち、幸せになりたい。今まで貴重な時間を先生のために使ってきたのだから」
律子さんは願望を込めますが、「奥さんと別れて一緒になってほしい」などと口にしたら彼が逃げていくことは分かっているので、怖くて言えないようです。
今は、既婚女性だって自由恋愛の時代ですよ!
殆ど皆んな楽しんでます。