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パワハラ、仕事きつい…「LINEで退職」はマナー違反ではない? 半年以内の離職でもキャリア守るための“引き際”とは

将来のキャリアに傷をつけないためにも、できるだけ円満に退職するには、どのように対処すればよいのでしょうか。マナーコンサルタントに聞きました。

入社して半年以内に離職する際の対処法は?(画像はイメージ)
入社して半年以内に離職する際の対処法は?(画像はイメージ)

 4月は新入社員や中途社員が入社し、職場の雰囲気が一新する時期です。そんな中、「思っていたより仕事がきつい」といった形で入社前の理想と、入社後の現実のギャップに悩んだり、パワハラに苦しんだりするなど、入社してから半年以内に会社を辞める人もいます。

 将来のキャリアに傷をつけないためにも、できるだけ円満に退職するには、どのように対処すればよいのでしょうか。押さえておくべき最低限のマナーについて、ヒロコマナーグループ代表で、企業価値を高める人財育成コンサルティングをはじめ、皇室のマナー解説やNHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」などのマナー指導などでも活躍するマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに聞きました。

「引き継ぎ書」を作成するのがお勧め

Q.退職の件を直接上司に言うのが怖いという理由で電話やメール、LINEで退職を伝えた場合、マナー違反になるのでしょうか。

西出さん「マナー違反にはなりません。そもそも、マナーにおいて違反と断定できるものはないと考えます。なぜならば、マナーとは、お互いが相手の立場で物事を考える思いやりのことであり、相手の捉え方次第で、状況が変わるからです。

法的な面から見ても、退職は民法627条第1項で『期間の定めのない雇用契約は、当事者がいつでも解約の申し入れをすることができ、申し入れから2週間で終了する』と定められています。その意思表示の仕方まで限定されていません。

ただし、その会社の規則に『退職の申し出は、対面で行うこと』という内容が記載されている場合は、その会社の規則には違反したと指摘されるかもしれません。しかし、マナーは、規則とは異なるため、繰り返しますが、マナー違反などと言われることはありません。

特に、今回のケースは、上司に言うのが怖いという感情もあります。『マナー違反』と言うこと自体が、マナーの本質を捉えていないと考えます。電話やメール、LINEで退職の意思を伝えた後も、備品の返却や書類の手続きなどは誠実に行いましょう」

Q.退職の原因がパワハラの場合でも、やはり「一身上の都合」として静かに辞めるべきでしょうか

西出さん「これは、本人のお気持ちや考えによるところです。また、それぞれの状況に応じて変わります。これらを前提としてお伝えできることは、次の3点です。何よりも、ご自身の心身を最優先に考えることが大切です」

(1)退職を最優先したい場合
「とにかく辞めたい」という気持ちが強い場合は、まずは「一身上の都合」とし、余計な衝突を避け、スムーズに辞めることが賢明と考えます。

(2)パワハラがあったことを主張したい
退職理由がパワハラであることを明確に示したい場合、「一身上の都合」としなくても法的に問題があるわけではありません。

この場合、パワハラ退職で職場に何らかの補償を求める場合は、詳細な証拠提出などが必要となります。「退職届にパワハラと書いたから」という一点だけで補償や損害賠償請求が実際に認められることは難しいという点を押さえておきましょう。

(3)パワハラを人事に相談
パワハラが原因での退職は、ご本人の立場に立てばいろいろと思うところもあるでしょう。退職届にパワハラを受けたことを明記せずとも、その証拠や人事などに相談をした記録などを証拠として残しておくと、後々自分を守ることにつながります。これは、退職自体は円満という形となりますが、問題提起としては残しておくということです。

Q.お世話になった人へのあいさつメールなど、最低限これだけはやっておくべき「引き際」のマナーを教えてください。

西出さん「退職時に一般的に行うことは、『退職届の提出』です。退職時の引き際のマナーは相手の立場になって考え、自分が退職した後、現場の人たちが困ることのないように、また不快な気持ちにならないようにするための配慮を形で表現することです。

その観点から『引き継ぎ書』を作成するのをお勧めします。在籍期間が短くても、『このような仕事をしており、ここまで完了しています』や『現在、〇〇会社の担当〇〇さんからの連絡待ちとなっています』という簡単なことでも良いと考えます。『引き継ぎ書』があると仕事を引き継ぐ人は安心です。

そして、『お世話になった人へのあいさつ』です。自身が退職する場合、逆の立場に立ってみましょう。引き継ぎやあいさつもなく退職されたらどのように感じるでしょうか。その観点から、自分がどのように振る舞えば良いのかが分かります。

また、相手の立場に立って、いろいろと考え過ぎる人もいらっしゃいます。例えば、『考え過ぎて、時間がたってしまい、結局あいさつできないままになってしまった』というご相談も多く受けます。そうならないように、ここは、相手がどのように思ったとしても『あいさつをして退職した』と堂々と言える証拠を残すことは、自身を守るためにも大切と言えます」

(オトナンサー編集部)

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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