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突然の「衆院選」に「ついていけない」…有権者は候補者のどこを見るべき? 元議員秘書のマナー講師が教える3つのポイント

選挙の立候補者にはどのような能力が求められるのでしょうか。また、有権者が投票する際は候補者のどのような点に注目すべきなのでしょうか。マナーコンサルタントに聞きました。

選挙で有権者は候補者のどんな点に注目すべきか(画像はイメージ)
選挙で有権者は候補者のどんな点に注目すべきか(画像はイメージ)

 衆議院選挙の投開票が2月8日に行われますが、この選挙に対して戸惑いや違和感を覚えている人は少なくないのではないでしょうか。SNS上では「いきなりの選挙で考える時間がない」「衆議院選挙のスピード感についていけない」「独善的な選挙」など、戸惑いの声や怒りの声が上がっています。

 このような声について、企業の品格経営コンサルティングや、マナーある人財の育成を行い、国会議員の秘書も経験している西出ひろ子さんは「今回の衆議院選挙に関する戸惑いは、政治への関心が低いからではありません。仕事や家庭、日々の暮らしを大切にしているからこそ、大きな決定には丁寧な説明や、心の準備を求めたくなるものです」と話します。

 そもそも、選挙の立候補者にはどのような能力が求められるのでしょうか。また、有権者が投票する際は候補者のどのような点に注目すべきなのでしょうか。マナーの視点で西出さんに教えていただきました。

国民の立場になって物事を考えられる能力が必須

Q.今回の衆議院選挙は、1月27日に公示、2月8日に投開票日と短期間で行われるため、ネット上では「なぜ今なのか」「受験があるのに」という内容の声が多く上がっています。この状況について、どのように捉えていますか。

西出さん「やはり、多くの人にとって『なぜ急に?』『どうしてこの時期に?』『聞いてないよ』という、置いてきぼり感があったことは否めないでしょう。

政治に詳しいかどうかに関わらず、日々の生活リズムがある中で、今回の衆議院選挙のように説明が不十分な中、選挙の日程が決まっていくことに、多くの人は不安を感じるのではないでしょうか。有権者、各政党、立候補者、支援者など、それぞれの立場でさまざまな感情が渦巻いている選挙だと感じます」

Q.今回の選挙で、候補者側にとって最も大切なのはどのようなことだと思いますか。

西出さん「自分の言動が国民に『どう受け止められるか』を想像することが最も大切だと思います。そのためには『マナー』を意識してほしいと思います。マナーとは、形式やルール以前に、相手の立場や生活を思いやる心ある姿勢のことを指します。まずは候補者として、法律違反をしないことが大前提です。その上で次の3つを重視する必要があります」

(1)人々(有権者)の時間と生活に入り込んでいる自覚を持つこと

(2)不安をあおるような言葉ではなく、安心を促す言葉を選ぶこと

(3)相手を否定して自分を上げないこと

選挙は「選ばれる場」である前に、人々の信頼を預かる場だと意識するのが大切です。

Q.やはり政治家にとっても、マナーは重要なのでしょうか。

西出さん「当然ですが、政治家にもマナーは重要です。マナーの本質は、相手の立場に立つことにあります。そのため、政治家やこれから政治家になろうとする人には、国民の立場になって考えるというマナーの本質を備えていることが必須と考えます。

また、ビジネスマナーの観点からは、政治家もその職務に対して対価をもらう場合、そこには仕事としての労働が発生するわけです。その給与(歳費)は国庫から受けるため、なおのこと、国民の立場になって考えられる人が求められるという構図になるのが一般的と考えられます。

国会議員も給与を受け取る以上は、私たちの一般的な仕事と同様と考えた場合、1つの目標を実現するためには、自分以外の関係者のことを思いやり、最終的に双方がプラスになる形をつくっていくコミュニケーション能力も大切です。これは、外交関係にも及ぶ能力ではないでしょうか。

マナーの基本5原則として、『表情』『内面、外面の態度・姿勢』『あいさつ』『身だしなみ』『言葉遣い』があります。言葉遣いを例にすると、政治家の発言に対して、有権者からは『相手を批判する発言が多い』『選挙でいかに当選するかという勝ち負けの話ばかりで、私たちの生活が見えていない』という内容の声が上がっています。

このような声に対して、政治家がどこまで寄り添い、それを言動で示しているかという点はマナーの一環として必要だと感じます」

Q.今回の衆議院選挙に対し、有権者はどのような姿勢で投票に臨むべきなのでしょうか。

西出さん「今回の衆議院選挙について、今までの選挙以上に各候補者や各政党の発言内容に耳を傾けている人も多いのではないでしょうか。有権者によって、それぞれ立場や考え方に違いがあります。そこで、投票に臨む際は次の3つを確認することが大切だと考えます」

(1)候補者が私たちの生活、不安に寄り添っているか

(2)私たちが理解、納得できるように説明しようという気持ちや姿勢が候補者にあるかどうか

(3)候補者の発言内容が解釈ではなく、事実を伝えているか

私たちは限られた環境の中で、候補者の情報を得ていくわけですが、このような視点から、この人が国会議員になったときの姿を想像してみてはいかがでしょうか。そこから見える人としての在り方を、私たち有権者一人一人がどう感じるかだと思います。

政治は特別な世界ではなく、私たちの日常の延長線上にあるものです。だからこそ、「この言い方はどうなのか」「このようなことをされたら、もし身近な人だったらどう感じるだろう?」などの視点で考えるのも大切なことです。

私たち有権者は、相手を信じる前に、相手の姿勢を見ることで選挙と向き合い、最終的に選ぶという判断に至ると思います。

 現在、大雪やインフルエンザ、介護、お子さまの受験、また受験生など、大変な状況に直面していらっしゃる人も多いでしょう。投票日当日、無事に投票を終えることを願っています。

(オトナンサー編集部)

【豆知識】「えっ…」 これが候補者を見る際の3つのポイントです!

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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