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ローンを残して逃げた妻に子を奪われた44歳男性、「面会」実現までの苦悶(上)

妻と別居後、子どもとの面会がかなわず、子どもの顔を一度も見たことのない父親たち。妻を説得し、再び「父親」になることはできるのでしょうか。44歳・会社員男性の実例を元に考えます。

父と子が「面会」全体の30%

別居後、子どもと面会できない父親が多い
別居後、子どもと面会できない父親が多い

「息子には『パパは死んじゃったの』、娘には『パパはお星様になったの』。風のうわさじゃ、そんなことを吹き込んでいるらしいですよ! 本当にもう踏んだり蹴ったりです。これじゃ本当に『ムダ金』ですよ。僕の財布はアイツの打ち出の小槌じゃないんですよ! 僕のことを銀行のATMか何かと勘違いしているんじゃないか!」

 夫婦にとって子どもは人質なので、勝手に連れ去る「誘拐犯」、養育費目的に金をせびる「詐欺師」、そして養育費の使い道を明らかにしない「守銭奴」…そんな悪妻に丸め込まれれば、弱腰の夫はどうしようもないのですが、妻と子、そして金を失ってようやく我に返り、私のところへ相談しに来る男性は後を絶ちません。妻に子どもを連れていかれ、妻の言い値を渡しているのに、妻は子どもに会わせてくれないという三重苦が相談の定番です。

 統計(厚生労働省「平成28年度 全国ひとり親世帯等調査」)によると、母子世帯(別居中、母が子を引き取っている)のうち、父と子が「現在も面会している」のは全体のわずか30%に過ぎず、我が子の顔を見ることすらかなわない父が70%に達しているのが現実ですが、それもそのはず。

 父と母との間で面会の約束(頻度や時間、場所、送迎方法など)を取り決めたのは全体の24%にとどまり、76%は再会の約束をすることなく、子どもと引き離されてしまったのだから。面会の約束を取り決めない理由で最も多いのは「相手と関わりたくない」(25%)です。実際のところ、妻が子どもを連れて勝手に出ていった場合、前もって面会の約束を取り決めるのは不可能です。

「もう限界です。実家に帰らせてもらいます。さようなら」

 たった一枚の置き手紙を残し、ある日突然、妻子が自宅から姿を消してしまった……。そんな信じがたい事実を目の当たりにすれば、激しく落ち込むのも無理はありませんが、本当の地獄はこれからです。

 なぜなら、何の前触れもなく別居に踏み切るような妻が「誠実」に対応してくれるわけもなく、「子どもに会わせてほしい」と頼んでも、無視されるに決まっているのだから。妻が子どもに夫の悪口を吹き込み、子どもが夫のことを毛嫌いし、「パパ大っ嫌い!」と拒絶するようになってからでは手遅れです。

 このように、別居から現在まで子どもの顔を一度も見たことのない父親は決して珍しくありませんが、どうすれば妻を説得し、いったん途切れてしまった子どもとの接点を取り戻して関係を修復し、もう一度「子の父親」として復活することができるでしょうか。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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