「体温37.5度でも仕事休まない」3割超、検温器は“セレモニー”? 調査結果、医師に聞く
医師の見解は?
調査結果に対する見解や正しい体温の測り方について、内科医の市原由美江さんに聞きました。
Q.調査では「体温が37.5度あっても、学校や仕事を休もうと思わない人が3割超」という結果が出ました。どのように思われますか。
市原さん「新型コロナウイルスがまん延している現状では、発熱があれば自宅で休み、必要に応じて、PCR検査を受けることが望ましいです。感染拡大防止のためにも、自分の体調管理のためにもまずは無理せず、学校や仕事を休むことがとても大切だと思います」
Q.新型コロナの流行前は「多少の熱があっても仕事に行く」という風潮もあったように思います。「発熱」について、コロナ禍で意識が変わったと感じますか。
市原さん「確かに新型コロナの前は『少し熱があっても、体調が悪くても仕事に行く』という風潮がありました。これは日本人の真面目な性格を表していると思います。しかし、現在は少しの熱や風邪症状があれば、会社を休むという人が増えてきていると思います。会社側や職場の仲間も体調不良で休むことへの抵抗が薄くなっていると感じます」
Q.新型コロナの受診目安について、かつては「37.5度以上4日間」とされていましたが、昨年5月8日に厚生労働省がその基準を削除しました。しかし、今でも「37.5度以上」が入店お断りなどの基準としてよく使われます。なぜでしょうか。
市原さん「平熱には個人差があり、発熱時もある程度の差があります。また、暑い環境にいた場合や女性で基礎体温が高温期であれば、発熱状態ではないのに、体温を測ってみると37度を超すことも珍しくありません。個人の事情や環境はさまざまで、一律の適正な基準はなかなか決められないたため、以前までの基準であった37.5度が区切りになっているのではないでしょうか」
Q.商業施設などの検温について、「検温器があるのに測定せずに入店する人を見た」という回答が4割、自分自身が検温せずに入店した経験のある人が2割という結果が出ました。検温が“セレモニー化”していないでしょうか。
市原さん「一部の人にとって、セレモニー化している可能性は確かに否定できません。しかし、外出先での検温も大切です。
例えば、毎朝自宅で体温を測る人が『発熱なし』と判断して外出したとしても、その日のうちに発熱しないとは限りません。発熱している自覚がないまま過ごすことも考えられるので、検温器があれば、積極的に利用することをおすすめします。体温だけで判断しても無症状感染者もいるので、感染拡大を完全に防ぐことはできませんが、検温によって発熱者に帰宅を促すことができれば、感染拡大の可能性を減らすことはできます」
Q.調査では、体温を「ほぼ毎日」測っている人が2割いる一方、「月に1日以下」の人も39.1%いました。
市原さん「新型コロナウイルスがまん延している現状では、毎日、体温を測ることはとても大切です。体温の変化があれば、少しの体調の変化に気付きやすくなります。毎日、検温して、もし37.5度以上あれば、積極的に休むことが大事です。微熱であっても風邪症状を少しでも伴っていれば、積極的に休みましょう」
Q.体温の正しい測り方を改めてお願いします。
市原さん「体温は脇の下で測るのがよいでしょう。汗をかいていると正確に測れないので、きれいにしてから、体温計を脇の奥まで当て、脇をしっかり締めて動かないように固定します。これは動くことによる摩擦熱の影響や、体温計がずれて測定部位が変わることによる温度変化を避けるためです。検温中に動くと正確に測れないことがあるので、安静にした状態で測りましょう。
普通の体温計であれば、数秒から数分で測れるものなどさまざまなので、それぞれに定められた時間まで待つことが基本です」
なお、タニタによると、体温計は脇の下で測るタイプのほか、非接触(額)、耳式、口で測るものなどもあり、 それぞれに特徴があるので、測定する人の年齢や場面に合わせて使い分けてほしいとのことです。調査結果の詳細は、タニタホームぺージ(プレスリリース「体温計に関する意識・実態調査2021」)で見ることができます。
(オトナンサー編集部)

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