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ローンを残して逃げた妻に子を奪われた44歳男性、「面会」実現までの苦悶(下)

面会を果たすも、妻の姿はなく…

 それから1週間。最終的には妻の方が根負けしたようで「場所はショッピングモール」「時間は1時間」という条件付きで面会の約束を取り付けることができたのです。しかし、当日、卓也さんがショッピングモールの入り口で待っていると、息子さん、娘さんを連れてきたのは義父と義母で、そこに妻の姿はありませんでした。

 卓也さんがそのことを尋ねると、義母は「あの子は私のコピーなの! だから、あの子のことは私が全部知っているわ!!」と応酬してきたので、卓也さんは思わず苦笑いするしかなかったようです。さらに義父は「写真は1枚しかダメだ」「体調が悪いから20分で帰るぞ」「ここまでの交通費を払え」と無理難題を押し付けてきたのですが、とにかく、子どもたちと10カ月ぶりの再会を果たしたのです。空白の時間は、これから少しずつ取り戻していくしかないでしょう。

 このように、別居した夫婦が「もう顔も見たくない」のは仕方ありませんが、一方で、親子はどうでしょうか。子どもたちの唯一の父親であり、血がつながった肉親であり、代えのきかない存在ですが、そのことは出産からずっと、そして別居後も何ら変わることはなく、親子関係は永遠に続いていくのです。

 だからこそ、父親が子どもたちにどのように接し、どのように関わり、どのような影響を与えていくのかが、子どもたちの人生において極めて大事なのですが、妻は自分目線ではなく「子ども目線」で、そして相手を夫ではなく「子の父親」と思って、見てほしいところです。

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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