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「世界観」なき若者へ 書を捨てよ、旅へ出よう【後編】

「爆買い」のために日本を訪れる中国人をはじめ、訪日外国人が年々増加している一方、日本人の海外旅行者数は伸び悩んでいます。筆者は、海外へ出ようとしない若者に向けて「書を捨てよ、旅へ出よう」と訴えます。

海外旅行は予想外のトラブルがいっぱい

 何を前提にこんなことを書いているのかといえば、この先の日本社会は「先の読めない不確実性がもっともっと増える」という、なんでもアリーの時代に入るからです。そんな一寸先は闇の中、サバイバルしていくには自分の意思を明確にする訓練や、状況に応じて臨機応変に行動を変えていく「こころのフットワーク」を鍛える必要があります。

 それには、若い頃の海外旅行が最も簡単な方法論です。私が初めて海外に行った1980年代は、1ドル=240円くらいで、110円そこそこの今と比べると2倍以上、円安でした。近場の海外なら、国内線と同じく格安のLCC(格安航空会社)もありますから、経済的にはずっと負担が軽くなっています。別にバックパッカーが絶対条件ではありませんから、悲惨な安宿に泊まる必要はありません。今やネット割引の大きい高級ホテルの予約が、ネットでできて支払いも円で可能な時代ですから。

 時期にもよりますが、ソウルや台北などでは、現地に1週間滞在しても東京~大阪間の新幹線代とホテル代よりずっと安かったりします。意思疎通もスマホの翻訳アプリを使えば、チンプンカンプンになりません。ただし、地図アプリなどあまりスマホ頼りになるのは、海外旅行をする意味がないため考えものです。そして、日本にいるとほとんど意識しませんが、日本の「パスポート」は、世界のどこに行っても強い「パスポート」です。国民の税金を世界中にばらまいたおかげで、かなり日本人は「優遇」されていると気づくでしょう。

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サイゴー・ヴァン・ウィンクル

辛口社会エッセイスト

1960年代生まれで学生時代は「新人類」と呼ばれた。バブルを満喫した一方で、暗黒の不況時代の辛苦も味わった「酸いも甘いも知り尽くした」悲しいジェネレーション。シニカルにして小心者。得意とするのは、池上彰が教えてくれない社会時評。ナポリタンと椎名林檎をこよなく愛する。