外国人観光客の目当ては「おもてなしの心」ではない!? 最近の日本旅行事情とは
米映画監督のマーティン・スコセッシさんが来日し、映画「雨月物語」など日本文化から大きな影響を受けたとコメント。そこで今回は、外国人観光客にとっての「日本旅行」の魅力を聞きます。

米映画監督のマーティン・スコセッシさんらが10月17日に来日し、優れた芸術家を称える「高松宮殿下記念世界文化賞」の受賞者会見に出席しました。
スコセッシ監督は会見で、少年期に溝口健二監督の映画「雨月物語」を見て以来、日本文化から大きな影響を受けたと明かし、「私の生涯を豊かにしてくれた、日本での受賞に感動しています」とコメントしました。
外国人に人気の日本文化といえば、最近ではアニメを思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし、本当にそれだけでしょうか。オトナンサー編集部では、和文化研究家の齊木由香さんに話を聞きました。
自然や生活に触れて「原風景」感じ取る
齊木さんが挙げるのは「日本旅行」の魅力です。
これまで外国人観光客にとって、旅館で懐石料理を楽しみ、「おもてなしの心」を体感することが、日本旅行の「醍醐味」とされてきました。しかし近年では、神社やお寺の宿泊施設「宿坊」に泊まることで、寺社文化や日本の精神を体験する外国人が増えているといいます。
変化は、彼らが訪れる観光地にも表れています。東京や京都の人気はいまだに高いものの、近年では、合掌造りが有名な岐阜の「白川郷」や、屋久杉で知られる鹿児島の「屋久島」など世界遺産を訪問する外国人が増えているようです。
手つかずの豊かな自然と住民たちの生活に触れることで、「日本の原風景を感じ取っているのかもしれません」(齊木さん)。
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