東南アジアを旅するとアベノミクスの失敗がよく分かる
東南アジアの諸国について、現地を訪れる日本人の多くが「勢いがある」との感想を持ちますが、その理由は「活気」と「物価」の2つだと筆者は考えます。一方、日本はピークの過ぎ去った老人のようで…。

数字上は「アジアの巨人」である日本
「東南アジアの勢いはすごい」「日本もいつかは追いつかれる」。タイやベトナムなど、旅行先としても人気の東南アジアには毎年、多くの日本人が訪れますが、このような旅の感想をお持ちの方が多いようです。しかし、国内総生産(GDP)ベースで世界第3位の経済大国である日本は圧倒的な「アジアの巨人」であり、中国に抜かれたとはいえ、まだまだ大きな差があるのが実情です。
【名目GDP】
日本 4兆9386億ドル
韓国 1兆4112億ドル
インドネシア 9324億ドル
タイ 4069億ドル
ベトナム 2013億ドル
データ上はこれだけの開きがあるにもかかわらず“肌感覚”として脅威を感じる理由は「活気」と「物価」ではないかと思います。実際、「若者が多い」「消費活動が盛ん」といった声はよく聞かれますが、少子高齢化に苦しむ日本に比べて、アジア諸国はそもそも平均年齢が低いため、実態として活気があるのでしょう。
物価に関しては、定期的に東南アジアを訪れる方は「さまざまなもの(食事やサービスなど)が安いことは間違いないが、以前よりは高く感じる」と話します。つまり、まだまだ差はあるものの、日本の物価に「確実に近づいている」ということです。これは、各国の「消費者物価指数」から紐解くことができます。消費者物価指数とは、商品やサービスの物価の変動を見る指標で、単純に言えば「インフレ率」です。
以下は、各国の消費者物価指数が1996~2016年の間にどれくらい変動したのかを表したものです。
国名 1996年 2016年
韓国 57.5 100.9
インドネシア 19.0 124.6
タイ 64.1 100.1
ベトナム 69.9 248.0
日本 97.7 99.8
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