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「今頃どこで買えるんだ」発言で脚光?のフロッピーディスク、そもそもどんなもの?

「今頃フロッピーディスクはどこで買えるんだ」発言で話題となったフロッピーディスク。そもそもどのようなものなのでしょうか。

フロッピーディスクとは?
フロッピーディスクとは?

 河野太郎デジタル担当大臣が8月30日の記者会見の中で、「今頃フロッピーディスクはどこで買えるんだ」と発言し、話題になりました。行政の手続きを定めた法令の中で、いまだにフロッピーディスクを指定しているケースを挙げて、時代に合った形式に改めていくという趣旨の中で出た発言ですが、パソコン用の記憶媒体としてはかなり旧式のフロッピーディスクが、なぜ今も使われているのでしょうか。そもそもどのようなものかということも含めて、ITジャーナリストの久原健司さんに聞きました。

20世紀に活躍

Q.そもそもフロッピーディスクとはどういうものか、現在主流の記憶媒体と比較しての性能などを教えてください。

久原さん「フロッピーディスクは、磁性体を塗布・蒸着した樹脂製の小円盤を、樹脂製のケースに収納した記憶媒体です。サイズは幾つかありますが、3.5インチが主流で、1980年代、90年代にはよく使われていました。

3.5インチフロッピーディスクは、『2DD』『2HD』といった種類があり、2DDは最大720KB(キロバイト)、2HDは最大1.44MB(メガバイト)の記憶容量が一般的で、皆さんがフロッピーディスクとしてイメージするのは、2HD、最大1.44MBの記憶容量のものではないでしょうか。

それに比べ、現在よく使われるUSBメモリーの容量は、2TB(テラバイト)を持つ製品もあり、2HDのフロッピーディスク145万枚以上の記憶容量があることになります。

ちなみにフロッピーディスクの『フロッピー』は『やわらかい』といった意味で、樹脂製の小円盤を使っているため、USBメモリーに比べて熱に弱いという弱点があります」

Q.現在、フロッピーディスクが使われるシーンとはどのような所でしょうか。

久原さん「官公庁では、まだ使われているところも多く、高画質の写真1枚がフロッピーディスク1枚に入りきらないので、悪戦苦闘している人もいるようです」

Q.フロッピーディスクを使うメリットはあるのでしょうか。

久原さん「機能面ではフロッピーディスクより優れている商品が多数出ているので、メリットはあまり感じられないのですが、かなり昔のパソコンで外部に保存する方法が、フロッピーディスクしかない場合は、重宝するかもしれません」

Q.河野大臣の「今頃どこで買えるんだ」発言がありましたが、フロッピーディスクは現在、どこで買えるのでしょうか。

久原さん「楽天やAmazonといった通販サイトで購入することが可能です。店舗販売だと、秋葉原で取り扱っている所や、リサイクルショップに置いてある場合もあります」

Q.フロッピーディスクはいずれ完全になくなるのでしょうか。

久原さん「ほぼ需要がないため、日本をはじめとする、ほとんどの企業は生産から撤退しています。完全になくなるかというと、それは分かりませんが、カセットテープやレコードのように『レトロ』的なものとして見直され、もてはやされる可能性もあるとは思います」

(オトナンサー編集部)

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久原健司(くはら・けんじ)

株式会社プロイノベーション代表取締役、ITジャーナリスト

1978年生まれ。2001年に東海大学工学部通信工学科を卒業後、ITの人材派遣会社に入社。大手コンビニエンスストアのPOSシステム保守運用業務を担当する。2003年からソフトウエア開発会社で、システムエンジニアとして、大手通信会社のWebアプリケーションシステム開発など多くの業務に携わるも、2006年、小さな頃からの夢であった独立を決意。2007年(29歳)に株式会社プロイノベーション(http://proinnv.com/)を設立し、当時としては珍しいオブジェクト指向によるモデリング開発でのサービス提供を始める。2018年「振り向くホームページ」サービスを開始(http://furimuku.com/)。プロのフリーランスを集めて企業の成長をサポートすることで、フリーランスとしての働き方を応援する傍ら、日本一背の高いITジャーナリストとして、さまざまなウェブメディアでも活躍中。

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