井上陽水&安全地帯が使った「アビーロード・スタジオ」は伊豆に現存した!
「東京カルチャーカルチャー」や「HANDS EXPO銀座」でイベントプロデューサーを務めるテリー植田さんは「玉置浩二率いるロックバンド・安全地帯が生まれた、日本の『アビーロード・スタジオ』は、なんと伊豆に現存する」と話します。

2017年1月、レコード会社に勤める知り合いのYさんと十数年ぶりに再会しました。Yさんとは、僕がかつて音楽ライターをやっていた頃、DJイベントを開いたり、コンピレーションアルバムを一緒に企画したりした仲です。
彼は開口一番、僕にこう言いました。「テリーちゃんさ、ちょっと面白い場所があんのよ。一緒に行かない?」。結論からいうと、僕はこの話を聞いてから、しばらく興奮しっぱなしで、翌週末にはその「面白い場所」へと足を運んでいました。
名ディレクターからアーティストへのご褒美
「実は伊豆に、日本版アビーロード・スタジオみたいなスタジオがあるんだよね」と言うYさん。アビーロード・スタジオは、ビートルズの作品がレコーディングされた、ロンドンにある伝説のスタジオで、熱心な音楽ファンでない人でも知っている聖地です。「アビーロード・スタジオみたいなスタジオが伊豆にあるのか」と僕は驚きました。
Yさんによると、40代以上の音楽業界関係者にこの話をすると、みな口をそろえて「懐かしい、レコーディング合宿した」と声を上げるようです。現在も多くの若手アーティストに使われていますが、音楽制作の劇的な変化に伴い、その頻度は減っているそう。
このスタジオが完成したのは1977年。小椋佳と井上陽水のメガヒットを生んだレコード会社「ポリドール」のディレクター・多賀英典さんがアーティストやスタッフへのご褒美として作ったのだとか。これだけでも、すごいエピソードです。
井上陽水が、日本の音楽史上初となるミリオンセラーアルバム「氷の世界」を発表したのが1973年。その当時から多くのレコーディングスタジオがあった英国とは異なり、日本は箱根の「ロックウェル」があったぐらいで、アーティストが長期滞在して自由に使えるスタジオはなかったのだそうです。
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