高円寺は住んだら抜けられない「ロック沼」 フリペやお寿司も充実
東京・高円寺には、毎号の表紙を有名人が飾るフリーペーパーや寿司店など、隠れた魅力がたくさんあります。
20年前、上京して初めて住んだのは阿佐ヶ谷でした。その時の勤務先が、高円寺に当時あったインディーズのレコード会社。海外ミュージシャンの作品を日本盤として発売する業務を担当していた筆者は、輸入盤を買い付けては自らライナーノーツ(解説文)を書き、ラジオ局や出版社に宣伝して回っていました。
抜群の記憶力を持つバーのマスター
そのレコード会社が所有していたクラブの近くには当時、ロックバーがたくさんあり、高円寺駅北口からマクドナルドの奥に延びる「中通り商店街」(通称:ピンサロ通り)辺りに「ベルベット」「アジール」「JETHROW(ジェスロー)」「カオスパニック」「ZZ TOP」「ターンテーブル」「ラムホリック」などの店が集まっていました。
ベルベットは何度か移転しています。かける音楽はほとんどレコードで、初めて店に入った時、昭和に活躍したシンガー・ソングライターの「山崎ハコ」をリクエストしたら、マスターの自宅に置いていたようで、残念ながら店には置いていませんでした。半年後にブラっと再び入ったら、「山崎ハコ、入りましたよ」と、マスターが開口一番教えてくれ、「前回名前すら言っていないのに、この記憶力はすごい」とひそかに驚いたのを覚えています。
K-POPバーのアジールは、今では歌舞伎町ゴールデン街に移転。マスターは毎日、外国人観光客を相手にウイスキーの「山崎」でリクエストに応えています。JETHROWの店内には、デビッド・ボウイやポリスのレコードジャケットが飾ってあり、マスターと客の距離感も何とも気持ちよいものがあります。カオスパニックは、筆者もDJをやらせてもらった思い出のバーで、いつもラムコークを飲んでいた記憶があります。
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