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「世界観」なき若者へ 書を捨てよ、旅へ出よう【後編】

海外旅行をすると日本の善し悪しがわかる

 こうした環境なのですから、中高年層が若かった頃に比べると、海外旅行は楽になっています。そうした意味でも、「家族や会社の役職とかのしがらみがまだ少なくて、自由な時間が多い若い頃に、海外に行ったら得なのに」と私は思います。海外に行ってみると、日本との比較が具体的になり、日本の善し悪しがわかってきます。

 たとえば、駅や空港、カフェやホテルなどで自由にネットを使える海外のWi-Fi環境を体験すると、世界一高い料金にもかかわらず、ネット環境インフラの点で日本がいかに遅れているかがわかります。ちょっとした都市であれば、観光地よりもスーパーマーケットで売っている商品を眺める方が「生きた勉強」になるでしょう。

 カップラーメンも日本では「麺」を重視しますが、海外では「スープ」として買われています。トイレットペーパーは、日本のように肌触りや香りがどうこうよりも、安くて、しっかりふけることに力点が置かれていることが見えてきます。さらに、無名の日本企業の製品が海外で広く売られていたりするなど、「日本の国際ビジネス」がどのように転換しているかもわかってきます。

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サイゴー・ヴァン・ウィンクル

辛口社会エッセイスト

1960年代生まれで学生時代は「新人類」と呼ばれた。バブルを満喫した一方で、暗黒の不況時代の辛苦も味わった「酸いも甘いも知り尽くした」悲しいジェネレーション。シニカルにして小心者。得意とするのは、池上彰が教えてくれない社会時評。ナポリタンと椎名林檎をこよなく愛する。

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