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中年オヤジどもよ、若者に正否を説くな。損得を説け!【後編】

「最近の若い奴は」という大人の苦言は、何も現代に限った話ではありません。しかし、それは、経年劣化した大人が既成の常識にノスタルジーを抱いているにすぎない、と筆者は主張します。

中高年は、若者と知恵を共有せよ

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 おそらく「若者に同調しなければ」と苦慮している中高年は少なくないでしょう。ところが、この「戦略」はまったく効果がないのです。大多数の若者は自分たちの力で社会をコントロールしたいと思っていないため、「身近な友だち以外は単なる風景」でしかなく、単に「オヤジたちが無理している」と思われるだけです。彼らにとっては、社会という大きな枠組みよりも、友だちのLINEに間髪を入れず返信する方が大切なのです。

 中高年の価値観を押しつけてもダメ、若者と歩調を合わせてもダメ。もうお手上げでしょうか。いや、そんな結論を書くためにここまで駄文を連ねてきたわけではありません。「報酬」の多寡に反応するのが人間の本能ですから、若者に社会の「正否」ではなく「損得」を説けばよいだけのことなのです。

若者に好き勝手やらせるオヤジはゲス野郎

 この場合、「報酬」といっても近視眼的に金を与えるということではありません。若者の自己承認要求を満たしてあげて、生きていく上で得する知恵を彼らと「共有する」ことなのです。インターネットを見てものっていない、実社会という「地雷原」を怖々と渡っている中高年でないと分からない「踏んだら木っ端みじん」のアラーム感覚(=知恵)を共有するのです。この感覚はさすがに、グーグルを検索しても教えてくれません。

 昨今見かける、若者に合わせて社会適応する必要性を説く人たちは、「貧困ビジネス」でもうける発想と同じです。知識も経験則も足りない若者を許容して、好き勝手にやらせようというのは、人生の「弱者」でしかない若者から消費をむしり取ろうと考えている“ゲス”のやることです。

 自明のことですが、彼らも10年たったら若者ではなくなるのです。若者を卒業した時、平均寿命が長い日本社会の「余生」では、何が売りになるかで格差が歴然になります。彼らに「実社会はサバイバルだよ」と偉そうに言っても無意味。今の若者は生まれた時から「し烈な自由」という名の不自由な環境に放り出されているので、「用を足したら水洗便所は流す」ような脊髄反応レベルで、サバイバル感覚を備えています。

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サイゴー・ヴァン・ウィンクル

辛口社会エッセイスト

1960年代生まれで学生時代は「新人類」と呼ばれた。バブルを満喫した一方で、暗黒の不況時代の辛苦も味わった「酸いも甘いも知り尽くした」悲しいジェネレーション。シニカルにして小心者。得意とするのは、池上彰が教えてくれない社会時評。ナポリタンと椎名林檎をこよなく愛する。