“カクカク”音、放置は危険! 「顎関節症」に気付く「2つのポイント」、歯科医師に聞く
症状を放置すると「悪化の一途」
Q.顎関節症の基本的な治療法とは。
高谷さん「顎関節症は、関節が炎症を起こしていることがほとんどなので、投薬による消炎治療が基本です。理学的に治療する場合は、マッサージや温湿布などで血行を促進する他、電気治療を実施しているケースもあります。
歯科口腔(こうくう)外科的に実施する治療は、マウスピース(スプリント)を作成して、物理的にそしゃくを邪魔することで歯ぎしりを防止する方法です。それでもマウスピースを割ってしまうほどのケースもあるため、ボトックス注射によって咬筋(こうきん)や側頭筋の動きを強制的に弱くし、持続的に投与することで筋肉そのものが薄くなる『歯科ボトックス治療』も有効といえます。また、『関節円板』という部位が前方に移動してしまっていることが認められた場合は、関節内を洗浄する『パンピング治療』が適用になります。大学病院クラスの施設では、関節鏡を用いた『有視下洗浄法』も選択できます」
Q.顎関節症の症状を放置すると、どうなりますか。
高谷さん「顎関節症は持続的な要因から発症することが多いため、症状を放置すると悪化の一途をたどることがほとんどです。悪化した場合は食事や会話に支障が出るため、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)が低下します。
また、顎関節は休むことがほとんどないので、自然治癒できるのは初期症状のみだと思ってください。それを過ぎて変形した軟組織の回復には、長い時間が必要です。骨が変形してしまった場合は、年齢にもよりますが自然治癒はありません」
Q.顎関節症を発症しないために、日常生活上で意識するとよいこととは。
高谷さん「先述したTCHチェックの意識が手軽かつ有効です。さらに、心的ストレスが要因になることが多いので、ストレス度合いを自身で確認したり、近しい人にチェックしてもらったりしましょう。また、健康のために行っているはずのスポーツ中に、食いしばりを起こしている人もいます。ジムでのトレーニング中だけでなく、散歩やジョギング中もTCHを意識してみてはいかがでしょうか。
また、普段生じている異常も、慣れてしまうと顎関節症だと認識できず、数年放置して悪化するケースもあります。もし顎関節症の初期症状(違和感程度のもの)を感じたら、一時的に食事の質を軟らかいものに変えて様子を見ることも大切です」
(オトナンサー編集部)

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