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結婚式の「二次元コード」に新リスク? 写真共有に潜むワナとデジタルマナー

結婚式会場で偽の二次元コードにより個人情報を盗まれないための対策について、セキュリティーの専門家が紹介します。

 6月は「ジューンブライド」の時期に該当します。これは「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」という言い伝えによるもので、この時期に結婚式を挙げるカップルは多いといわれています。

 ところで、スマホをかざすだけで、フォトアルバムにアクセスできるのが二次元コードです。結婚式の写真共有手段として、今やすっかり定番となりました。しかし、お祝いムードに包まれた会場だからこそ、サイバー犯罪者にとっては格好の標的になり得ます。

 偽の二次元コードへのすり替え、フィッシングサイトへの誘導、意図せぬ個人情報の流出など、ゲストが無意識に画面をタップする、そのほんの一瞬を狙った手口とはどういうものなのでしょうか。カップルとゲスト双方が今日から実践できる対策について、サイバーセキュリティーの専門家の解説とともに紹介します。

会場に溶け込む「危険なコード」

 フォトアルバムの共有、席次表の確認、ご祝儀のキャッシュレス決済など、結婚式の場で二次元コードを目にする機会は急速に増えています。個人向けのセキュリティーサービスを提供するNordVPNが昨年実施した調査によると、日本人の65%が日常的に二次元コードを利用していると回答しており、その利便性はすっかり生活に定着しています。

 しかし、この「当たり前の習慣」が、犯罪者に悪用される隙を生んでいます。会場に貼られた正規の二次元コードの上に、偽の二次元コードシールをこっそり貼り替えるという手口が海外では実際に報告されています。

 サイバーセキュリティーの専門家であり、NordVPNの最高技術責任者を務めるマリユス・ブリエディスさんは、こうした状況についてこう警鐘を鳴らします。「お祝いの場では、人は自然と警戒心を解きます。結婚式は感情が高ぶり、慌ただしい場。ゲストは立ち止まって考える前に、スキャンしてしまうことが多いのです」

「フォトアルバムはこちら」の先に潜むリスク

 二次元コードを読み込んだ先が、フィッシングサイトである可能性があります。「ログインしてアルバムを表示」などと誘導し、SNSアカウントやメールアドレス、パスワードを入力させる手口です。一見すると本物のアルバムサービスそっくりに作られているため、気付かないまま情報を渡してしまうケースも少なくありません。

 また、正規のリンクであっても、公開設定が甘ければ、第三者がアルバムを閲覧・ダウンロードできる状態になっていることも。写真に含まれる子どもの顔、自宅や旅行先の情報、さらには写真のメタデータ(撮影場所や日時の情報)が意図せず流出するリスクも見落とせません。

 ブリエディスさんはこう続けます。「二次元コードが”安心”に見えるのは、余計な手間を省いてくれるから。でも、その便利さこそが、普段なら不審なリンクを開く前に持つはずの”一瞬の慎重さ”を奪ってしまうのです」

ホストとゲストが実践すべき「デジタルマナー」

 結婚式における二次元コードの活用は、使い方次第で安全にもなり、リスクにもなります。ホスト(カップル・主催者側)とゲスト、それぞれに意識してほしいポイントがあります。

【ホスト側が気をつけること】
・信頼できるプラットフォームのみ使用し、URLを事前に確認する
・アルバムの公開範囲を「招待者限定」に設定し、第三者が自由に編集・追加できないよう制限する
・二次元コードは人目のある場所にのみ設置し、当日スタッフが定期的に確認する
・不要になったアルバムリンクは速やかに無効化する

【ゲスト側が気をつけること】
・スキャン後、リンクのプレビュー(URLの内容)を確認してからアクセスする
・スキャン後すぐにログイン情報や支払い情報の入力を求められたら、一度立ち止まる
・子どもの顔が写った写真や、自宅・旅行先がわかる投稿は慎重に

 ブリエディスさんは「デジタルマナーは、今やイベントマナーの一部です。思い出をシェアすることが、個人情報の意図せぬ流出につながらないよう、意識することが大切です」と話します。

もし不審な二次元コードをスキャンしてしまったら

 「もう遅いかも」と思っても、落ち着いて次のように対処することが重要です。

(1)すぐにページを閉じる。ログイン情報や支払い情報は絶対に入力しない。
(2)ブラウザのセッションをクリアする。キャッシュや閲覧履歴を削除する。
(3)アカウントを監視する。不審なログイン通知がないか確認する。
(4)パスワードを変更する。もし情報を入力してしまった場合は即座に変更する。
(5)主催者・会場に報告する。他のゲストへの被害を防ぐためにも速やかに伝える。

「二次元コード詐欺が成立するのは、ほんの数秒だけ正常な判断を奪うからです。不審なスキャンに気付いたら素早く動くことで、小さなミスが大きな問題になるのを防げます」とブリエディスさんは締めくくります。

 お祝いの場だからこそ、デジタルの備えも忘れずに。二次元コードは便利なツールですが、使う側の意識と正しいマナーがあってこそ、安心して活用できるものです。

(オトナンサー編集部)

【画像で見る】絶対にだまされない…これが「個人情報」を守るために徹底すべき4つの鉄則です!

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マリユス・ブリエディス

NordVPN 最高技術責任者(CTO)

デジタルセキュリティとプライバシーの分野で世界的に活躍し、NordVPNの最高技術責任者(CTO)を務める。IT業界で培った長年の経験を基に、技術革新とセキュリティ分野の発展をけん引。代表的なプロジェクトである「NordLynxプロトコル」は、WireGuardプロトコルを基に開発され、業界で最速かつ革新的なVPN技術として高い評価を得ている。キャリア初期にはQSTKやPythonを用いたプロジェクトやウェブ開発に携わり、現在はNord Securityで5つのチームを率いて企業の成長に貢献。講演やインタビューを通じてサイバーセキュリティーの知識を広めると同時に、謙虚さを忘れず学び続けることを信条としている。

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