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磨き残しが分かる「染め出し液」、家庭でも使った方がよい? 歯科医師に聞いてみた

歯科医院で、磨き残しをチェックするために使われる「染め出し液」。市販品も出ていますが、家庭でも使った方がよいのでしょうか。歯科医師に聞いてみました。

「染め出し液」には市販品も
「染め出し液」には市販品も

 歯科医院での治療時、毎日の歯磨きでしっかり歯垢(しこう)を落とせているかどうか、「染め出し液」を使ってチェックをしてもらったことがある人もいるのではないでしょうか。この染め出し液は市販もされており、家庭での歯磨きチェックに使うこともできますが、「毎日使った方がいいの?」「どんな人が使うといい?」といった疑問の声もあるようです。

 家庭での「染め出し液」使用にまつわるさまざまな疑問について、高谷秀雄歯科クリニック(宇都宮市)院長で歯科医師の高谷秀雄さんに聞きました。

家庭で使う際は「週に1回程度」

Q.歯科医院でよく使われている「染め出し液」とは何ですか。

高谷さん「染め出し液とは、虫歯の原因菌となる『ミュータンス菌』などが生成する酸に反応して着色する薬液です。正式名称は『歯垢染色液』といいます。着色料の他、甘味料や香料などが含まれています。製品によって青や赤など色が違ったり、風味が変わったりしますが、おおむね子ども向けに甘い味にされているものが多いです」

Q.染め出し液を使うことで、何が分かるのですか。

高谷さん「染め出し液を使うと、『磨き残し』が目に見えて分かりやすくなります。磨けているつもりでも実は残っていた歯垢が着色されるため、どこに磨き残しがあるのか一目瞭然です。クリニックでは主に子どもの患者さんに対して、本人、または親御さんと一緒に確認するために使用します。『ちゃんと歯磨きしているのに、虫歯になった』と言われる患者さんには説得力がありますね」

Q.染め出し液には市販品もあるようですが、家庭でも日常的に使った方がよいのでしょうか。

高谷さん「毎日ではなく、多くとも週に1回程度でよいでしょう。『正しい歯磨き習慣を身に付けるため』と思って使用しましょう。また、染め出した歯を自分で見るのと、誰かに見てもらうのとでは、結果が異なることが多いです。ぜひご家族に確認してもらいましょう」

Q.家庭で染め出し液を使うことを、特にお勧めしたい人とは。

高谷さん「先述しましたが、『歯磨きをちゃんとしているのに虫歯になる』という人には有効だと考えます。また、歯ブラシ選びに迷った際に、結果を確認するためにも推奨できます。もちろん子どもにも使えるので、一人で歯磨きを始めた頃から、ちゃんと歯磨きができているか、染め出し液を使って確認するとよいでしょう。親御さんが磨いてあげているような小さい子にも安心して使える薬剤なので、親御さんが子どもの歯を磨けているのかチェックするためにも使えますよ」

(オトナンサー編集部)

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高谷秀雄(たかたに・ひでお)

歯科医師(歯科口腔外科)

医療法人雄愛会高谷秀雄歯科クリニック院長・理事長。2008年、鶴見大学歯学部卒業。上尾中央総合病院、東芝林間病院歯科口腔(こうくう)外科にて2年間の研修医を経て、湘南東部総合病院歯科口腔外科にて常勤勤務。2014年、湘南美容外科・歯科クリニック分院長就任。2016年、宇都宮市で高谷秀雄歯科クリニックを開設。「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、一人一人に合った歯科治療の提供を心掛ける病院を目指している。専門分野は親知らずの抜歯、口腔がんなど歯科口腔外科領域全般。審美歯科治療、インプラント治療も得意とする。高谷秀雄歯科クリニック(https://www.takatani-dental.jp)、公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCkrV-TGxGgYXDN1atx7bhNA/featured)。

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