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病院近くの「薬局」使うとお得に? 6月に変わる料金体系の仕組みとは【薬剤師が解説】

門前薬局を利用した場合、街中の薬局と比べてどの程度得なのでしょうか。薬剤師に聞きました。

病院近くの薬局を使うと、どの程度お得に?(画像はイメージ)
病院近くの薬局を使うと、どの程度お得に?(画像はイメージ)

 5月中旬以降、日中に気温が高い日もあれば肌寒い日もあり、寒暖差で体調を崩しやすい時期です。実際に、風邪をひいて病院に行く人もいます。

 ところで、薬局には街中にあるものと、病院のすぐ近くにある「門前薬局」と呼ばれているものがあります。門前薬局を利用した場合、街中の薬局と比べてどの程度得なのでしょうか。かかりつけ薬剤師を指名するメリットや、お薬手帳の割引制度なども含め、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。

門前薬局の利用で100円程度得に

Q.2026年6月の診療報酬改定で、病院のすぐ目の前にある門前薬局と、街中の薬局で会計にどのような差が出るようになりますか。

真部さん「2026年6月の調剤報酬改定では、窓口での負担額に変化が生じます。病院の目の前や横にある門前薬局を利用した場合は、基本点数が引き下げられますが、街中にある地域密着型の薬局は引き上げられます。会計だけで見ると、点数が低い門前薬局の方が数十円から100円程度安くなります(3割負担の場合)。

そもそもどうして国が点数に差をつけたかというと、街中の薬局にしっかり相談に応じる機能を求めているからです。患者と深く向き合う分、数十円程度負担が増える仕組みです。

会計以外の差だと、門前薬局は混んでいて待たされがちですが、街中の薬局だとスムーズに薬を受け取れるでしょう。しかし、付近の病院が使っている薬は在庫があるであろう門前薬局と異なり、街中の薬局だと薬の在庫がなくて取り寄せなければならないことがあるかもしれません。どちらに価値を感じるかは患者次第だと思うので、自分に合う薬局を選んでいただければと思います」

かかりつけの薬剤師を指名するメリットは?

Q.「かかりつけ薬剤師」を指名すると追加料金がかかりますが、それ以上の金銭的・健康的なメリットはありますか。

真部さん「以前はかかりつけ薬剤師指導料という項目がありましたが、廃止されて服薬管理指導料に統合され、より実践重視の新しい体系となります。今までかかりつけ薬剤師になる場合は紙にサインをして契約(同意書)という形をとっていましたが、かかりつけ薬剤師になることをお互い認めお薬手帳に『かかりつけ』と薬剤師名を記載するという簡易な形に変わり、指名しやすくなりました。

指名した場合は、3割負担で100円前後の費用が発生します。しかし、残薬調整を確実に行ってくれるのが大きな金銭的メリットで、特に2カ所以上に通院している人はおすすめです。本来、他店で処方された薬の残薬調整を、別の薬局が勝手に行うことはできません。

しかし、かかりつけ薬剤師を指名するとその薬局でその患者のすべての薬を把握し管理できるため、それぞれの医療機関と連携が取れます。そのためかかりつけの人にお願いすることで次回飲み忘れた残薬分を差し引いた量が処方され、薬代が安くなります。数日分の薬を減らすだけで指名料の元が取れるため、1カ月に1回行く人であればむしろお得になる可能性があります。

さらに、名前が違うけれど同じ成分の薬をもらっていることもあるため、飲み合わせを確認したり、重複している薬をカットしたりしてくれます。それにより薬代が安くなることもあるでしょう。

さらに、最も大きいのは健康メリットです。『薬を飲んだ後、急に体調が悪くなった』『市販薬を飲みたいけれど飲み合わせが不安』という時などに、24時間365日、休日でも夜間でも電話で直接薬剤師に相談をすることができます。自分自身の薬歴を全て把握している専属パートナーがいる安心感は大きいでしょう。

若い人で風邪薬などを単発でもらっている人はあまり考えなくても良いと思いますが、長く薬を飲み続けている人やいろいろな併用薬がある人は、一度かかりつけ薬剤師を頼むのも良いと思います。特に高齢で一人暮らしをしている人などにとって、不安でいっぱいになった時に話を聞いてくれるかかりつけ薬剤師の存在は大きいのではないでしょうか。100円程度でさまざまなメリットがあるため、おすすめの制度です」

医療費を節約するには?

Q.マイナ保険証やお薬手帳アプリの活用で、2026年からはどれくらい医療費が節約できるのでしょうか。

真部さん「以前はマイナ保険証を使えば医療費が安くなるという制度がありましたが、すでに廃止されました。そのため、マイナ保険証を出すことは直接的な節約にならなくなります。これまでは医療情報取得加算や、DX推進を評価する医療DX推進体制整備加算などが、マイナ保険証への移行を促すための加算でした。

しかし、廃止となったそれらの代わりに『電子的診療情報連携体制整備加算』という加算が新設されることになりました。これは病院や薬局がどれだけマイナ保険証の利用実績があるか、電子処方箋を導入しているかといった施設側のDX対応力によって点数が決まります。

対応力が高くて利用率が高い薬局を利用する患者は、マイナ保険証の使用に関わらず一律でこの点数分の負担をしなければなりません。このように、マイナ保険証が標準となったことで、これからは医療情報をデジタルで活用できているかを評価する段階に移行し、制度自体が変わってきています。全体的な医療費削減のためにデジタルへの移行が進んでいるため、ただマイナ保険証を出しただけで会計が安くなるというメリットはなくなってしまいました。

しかし、入院や手術をする際にマイナ保険証を出すと大きな金銭的メリットがあります。マイナ保険証があれば高額療養費限度額適用認定証が不要となり、窓口でマイナ保険証を入れて項目に同意するだけで、自己負担限度額までの支払いで済むようになったのです。

以前は、事前に役所で『限度額適用認定証』を発行してもらうか、窓口で一旦全額を支払ったのちに、健康保険組合などへ払い戻しの申請をする必要がありました。現在はマイナ保険証の手続きだけで、高額な医療費の立て替えが不要になったことが大きなメリットです。

また、マイナ保険証で情報閲覧に同意することで、薬局側で薬のデータが確認できるようになるため、重複投薬のチェックによる薬代の節約も可能です。現在はまだ直近のデータが反映されておらず、1カ月前までが見れるかどうかという状態なので、当分の間はお薬手帳で確認が必要になりますが、今後完全にチェックできるようになれば安全性も上がるので、とても良いことだと思います。

お薬手帳の場合は、持参すると割引されるのがメリットです。かかりつけの薬局に3カ月以内に処方箋を提出し、お薬手帳を持参するかアプリを提示すると、しなかった場合に比べて1回あたり120円から140円の割引となります。保険で3割負担の場合は、約40円ほどの割引です。この先マイナ保険証で全て見れるようになると制度が変わるかもしれませんが、今のところはお薬手帳やアプリを出せば割引されるため、ぜひ活用していただければと思います」

* * *

 門前薬局の方が安く済むが、しっかり薬について相談したい場合は街中の薬局が適しているとのことです。飲んでいる薬の量が多い場合はかかりつけ薬剤師の指名も検討しながら、賢く薬局を利用しましょう。

(オトナンサー編集部)

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真部眞澄(まなべ・ますみ)

薬剤師

東京薬科大学卒業後、日商岩井(現・双日)を経て、現在は現役薬剤師として 25 年
目、調剤薬局の最前線に立ち続けている。日々多くの患者に接する中で、5 年、10 年
と経つうちに薬の量が倍増していく現状を目の当たりにし、「初期に踏み込んだ対策
を伝えていれば」との強い後悔から、現在は「お薬だけに依存させない薬剤師」として
活動。40 代以降の世代を中心に、薬に頼りすぎない改善策を男女問わずアドバイス
している。また、心身の相関性を重視し、医療・心理・統計学的鑑定を用いたカウンセ
リングも実施。多角的な視点で健康寿命を延ばすための情報発信を続けている。

HP:https://m-inflore.com/

youtube.com/@まなママチャンネル カウンセリング:https://renfortune-bruk2bqw.manus.space/

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