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ワクチン接種せず→会社で氏名公表、不利益な扱い…法的問題はない?

「接種した人に手当」は?

Q.逆に、ワクチンを打った人に手当を出すなど、利益を与えることは公平性の面で問題にならないでしょうか。

佐藤さん「差別したり、不利益を与えたりすることに比べ、利益を与えることによる問題は大きくないと思います。社会全体のことを考えると、集団免疫を獲得することが望ましく、ワクチンの接種率向上が求められています。そのため、接種した人に対して地域商品券を配布するなどの優遇策を検討している自治体もあるようです。同様に、手当などの利益を与えることを検討する企業もあるでしょう。

ただし、過大な利益を与える場合、事実上の接種の強制とも受け止められかねません。体質などにより、ワクチンを接種できない人もいることを踏まえると、与える利益が過大であれば、不公平感が生まれる可能性もあります。やり過ぎには注意する必要があるでしょう」

Q.職域接種を行う企業が心掛けるべきことは。

佐藤さん「ワクチン接種に関する従業員の考え方、感じ方はさまざまだと思います。企業としては、一人一人の従業員の意思を尊重するとともに公平感を大切にしましょう。また、希望する従業員が安心して接種できるように、新型コロナウイルスワクチンの正しい情報を周知したり、ワクチン接種のための特別休暇制度を導入したりすることも有効だと思います。接種しやすい環境を整え、職域接種を進めていきましょう」

(オトナンサー編集部)

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佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

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