ヒカルさん騒動で話題 「VALU」は資産運用の選択肢となりうるか
新たな金融インフラの可能性
VALUはその中身を見てみると、作りは株式市場に似ていますが、その本質はクラウドファンディングに近い印象を受けます。
クラウドファンディングは、特定のプロジェクトに「1口いくら」という形で出資し、多くの場合、その成果物(物やサービス)を受け取って終わりです。VALUの場合は、優待を受けられる点はクラウドファンディングと同様ですが、VAを保有することで個人を支援し続けることができる上、その個人の活動次第ではVAが値上がりして、売買益が発生する可能性がある点が株式市場と似ています。
しかし、サービス開始から間もない現時点では、実際のVAの価格は個人の実績や志などを反映しているわけではなく、やや投機的な動きをしています。堀江貴文さんのVAは初値が0.24160BTC、高値が1.7BTCで、日本円に換算すると10万円から80万円まで値動きがありますが、株主にあたるVALUERは270人ほどしかおらず、少人数が短期的売買を行うことで、VAが急激に上がったり下がったりしていると推測できるのです。
こうした投機的な動きは一般の投資家に不利益となるばかりか、金融当局が介入せざるをえなくなるため、運営会社としても苦慮している様子で「特定のVA(銘柄)に関しては、取引を1日1回に限定する」などの施策を講じています。
VALUが根付くには、こうした「投機マネー」の排除だけでなく、合理的な価格形成がなされるように、より多くの投資家の参加が必要です。そのためには、株式市場で言うところのIRが必須であり、資金を得た個人の活動実績を報告するルール作りが急務と感じます。また、現時点ではBTCでしか投資できず、敷居は高いのですが、こればかりは仮想通貨の裾野の広がりを待つしかないでしょう。
産声を上げたばかりのVALUは課題山積ですが、「個の時代」の新たな金融インフラとして大きな可能性を秘めています。現在のところ、資産運用先としては時期尚早としか言えませんが、近い将来は会社だけでなく「個」に投資する時代が来るのかもしれません。
(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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