不妊、老後不安、介護…「熟年再婚」の落とし穴を経験した3人の男性たち
不妊治療開始時、お互いの両親から援助
結婚当初、健司さんにはまったく貯金がなかったので、不妊治療を受けるにあたり、健司さんの両親から30万円、現妻の両親から60万円の援助を受けたのですが、すでに援助金は底をついたそう。さらなる援助を両親に求めようにも、「年金暮らしで余裕がないから、これ以上は無理」とすでに断られてしまったとのこと。
しかも、健司さんは55歳のとき、新卒から働き続けてきた会社から別の関連会社へ異動したため、毎月の給与は手取りベースで48万円から28万円へ、賞与(年2回)は90万円から60万円へ激減。一方、毎月の支出は33万円で給与を5万円も上回っており、6カ月ごとに賞与で赤字を補填(ほてん)せざるを得ない状況です。
とはいえ、賞与月の支出は6月が12万円、12月が6万円なので、毎月の赤字を補填すると今度は賞与月の収支が赤字に陥るというありさま。結局、年間で18万円の赤字が発生し、貯金を取り崩してきたのですが、家計の収支が赤字で子どもを産み育てるのはあまりにも不安です。
健司さんは、いまさら前妻へ連絡を取りたくなかったのですが、背に腹は変えられず、前妻に頭を下げに行ったそうです。具体的には、養育費を月8万円から4万円へ下げてほしいと頼んだのですが案の定、前妻は「そっちよりこっちを優先したらどう?」「そっちの都合でこっちの養育費を減らすのは納得いかない!」「だまされた! 慰謝料を払うって言うから離婚してあげたのに!」と罵詈(ばり)雑言を浴びせてきたそうです。
「子は親を選んで生まれてくることはできないんだよ。賢人(前妻の子)もこっちの子も平等なんじゃないのかな? それなのに、自分さえよければそれでいいと本気で思っているの? 生まれてくる子には何の罪のないのに、僕らの子はどうなってもいいの?」
健司さんはありったけの知恵を振り絞り、前妻を諭したのですが、前妻の子は現在19歳。成人まで残り1年なので最終的に前妻が折れ、養育費の見直しに応じてくれたようです。家計は相変わらずプラスマイナスゼロで貯金はありませんが、それでも、赤字地獄から抜け出すことができたので不妊治療を続けることができたそう。現妻との間に念願の子が生まれ、幸せな生活を送っているようです。
3人目は、老後資金に不安を抱える川崎直樹さん(58歳、自営業、年収600万円)です。
「いつ倒れるか分からないんです。いつも不安でたまりません」
そんなふうに嘆く直樹さん。毎月10万円の住宅ローンを返済し、妻子が直樹さん名義10割のマンションに住むことを条件に10年前、離婚にこぎ着けたそうです。ようやく独り身に戻ったとはいえ、自分の家賃や生活費に加え、毎月10万円の住宅ローンを返済するのは決して楽ではなく、辛うじて赤字を免れるので精いっぱい。離婚から10年が経過しているのに貯金はゼロ。
さらに、直樹さんは3年前に糖尿病と診断され、現在も治療中。住宅ローンはまだ1400万円も残っており、このままでは、70歳まで返済し続けなければなりません。直樹さんはウェブデザイナーですが、今まで、住宅ローンを返済するために無理を重ねてきました。今後、加齢で体力が落ち、収入が下がることが予想されます。
さらに、糖尿病持ちなので脳卒中や心臓病など万が一のことも考えられますが、それだけではありません。他にも、網膜症で失明したり、神経障害や血管障害で足を切断したり、腎臓の機能低下で人工透析が必要になったりする可能性があり、いずれの場合も今の仕事を続けることは難しいでしょう。


コメント