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インフルエンザ流行入り、一度治った人も再びかかる? 油断せずワクチン打つべき?

インフルエンザが全国的な流行期に入りました。既に発症して治った人もいると思いますが、「一度かかってもワクチンは接種すべきだ」と医師は指摘します。

インフルエンザにかかった後もワクチン接種すべき?
インフルエンザにかかった後もワクチン接種すべき?

 厚生労働省は11月15日、インフルエンザが全国的な流行期に入ったと発表しました。今年は、9月の2学期開始早々に学級閉鎖をする学校が出るなど、地域によっては早い時期から流行していましたが、全国的にも例年より1カ月程度早い流行期入りとなりました。

 既にインフルエンザを発症して治った人の中には、「免疫ができたから、今年はもうかからない」と思う人もいるようですが、「一度かかってもワクチンは接種すべきだ」という医師の指摘もあります。今後のインフルエンザ対策について、内科医の市原由美江さんに聞きました。

A型とB型、さらにその中に種類も…

Q.一部の地域ではインフルエンザが早めに流行しており、既に発症して回復した人も多いようです。「免疫ができた」と思ってしまいそうですが、そのような人も、再度かかる恐れはありますか。

市原さん「流行の原因となるインフルエンザウイルスには、A型とB型があります。また、A型、B型の中にもそれぞれ種類があり、A型にかかったとしても、種類の違うA型にかかったり、B型にかかったりとさまざまです。一度インフルエンザになっても、再度かかる可能性は十分ありますので注意してください」

Q.「一度かかった人もワクチンを接種すべきだ」という声もあります。なぜでしょうか。

市原さん「インフルエンザワクチンは、その年に流行する可能性の高いインフルエンザウイルスに対して免疫を作る抗原が含まれています。2015年以降は、A型2種類、B型2種類、合計4種類のインフルエンザウイルスに対して有効なワクチンが製造されています。先述のように、一度かかっても再度別のウイルスに感染する可能性があるため、ワクチンを接種することでその感染の可能性を低くすることができます」

Q.今年、流行入りが早くなったのはなぜでしょうか。

市原さん「過去にも夏にインフルエンザが流行したという報告があります。東南アジアでは夏にインフルエンザが流行する地域があり、今年は日本でラグビーワールドカップ(W杯)が開催された影響で、外国からのウイルスの持ち込みが一因となっている可能性が考えられます」

Q.流行期入りが早いことで、広がりが大きくなったり、重症化する人が多くなったりすることは考えられるのでしょうか。

市原さん「流行の終わりの時期は変わらないため、流行する期間が長くなり、その分、感染が広がりやすくなります。繰り返し感染する可能性も高くなります。感染リスクのある期間が長いため、感染予防対策をしっかりと継続して行う必要があります。慢性呼吸器疾患や慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、ステロイド内服などによる免疫機能不全をもっている人は重症化しやすいため、流行期間が長いとその分、感染リスクが高い期間が続くので注意が必要です」

Q.改めて、インフルエンザ予防のための対策を教えてください。

市原さん「インフルエンザ予防の基本は、インフルエンザワクチンを接種することです。発症を抑制するだけでなく、発症した場合の症状を軽くしたり重症化を防いだりする働きがあります。また、乾燥すると感染しやすくなるので湿度を保つ、規則正しい生活をして免疫力をつける、手洗いやうがいをこまめにする、流行期には人混みに出ない、ことなどを意識してください」

Q.インフルエンザと風邪の見分け方、インフルエンザになった場合の対応を教えてください。

市原さん「例外もありますがインフルエンザの場合、基本的には、38度以上の発熱、鼻汁やせき、咽頭痛などの呼吸器症状、筋肉痛や関節痛が認められます。微熱だったり、呼吸器症状がなかったりする場合もあって自己判断は難しいため、風邪のような症状があり、つらい場合は早めに病院を受診しましょう。

インフルエンザの治療の基本は、水分摂取と安静です。抗インフルエンザ薬は熱のある期間を短くする働きがありますが、発熱して2日以内に使用しないと効果がありません。熱でつらい場合は、抗インフルエンザ薬を使うかどうか医師と相談してください」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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