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一度は風邪と診断…5歳女児を恐ろしい麻疹から救う【ぼくの小児クリニックにようこそ】

2回のワクチンが必須

 結局、その翌年に麻疹は全国的に大きな流行になりました。1歳のときの1回のワクチンでは不十分だったのです。そして、これを契機に、年長さんのときに2回目のワクチンを打つよう制度が変わりました。ところが、現在でも2期のワクチンを打たない人が少数ながらいます。

 麻疹は命に関わる病気です。肺炎や脳炎を合併すると、死に至る場合もあります。日本には、土着の麻疹ウイルスはいないとされていますが、外国から麻疹の患者が入国することがあります。そうすると、免疫のない人は感染してしまうのです。

 しかし、開業したその日に来た患者さんが麻疹とは驚きました。麻疹ウイルスは空気感染するので、この子を麻疹と気付かずに待合室に長く置いていたら、クリニック内で感染が拡大してしまったかもしれません。開業したての筆者のクリニックは閑散としていたので、麻疹は他の子にうつりませんでした。また、市立病院の先生に電話で相談してすぐに隔離したのも正解でした。

 妊婦さんが風疹にかかると、赤ちゃんに障害が出ることは有名ですが、妊娠中に麻疹にかかると、流産や早産になることがあります。ワクチンという有効な手段があるのですから、ワクチンは必ず、1歳のときと年長さんのとき、合計2回打ってくださいね。

(小児外科医・作家 松永正訓)

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松永正訓(まつなが・ただし)

小児外科医、作家

1961年東京都生まれ。1987年千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。日本小児外科学会・会長特別表彰(1991年)など受賞歴多数。2006年より「松永クリニック小児科・小児外科」院長。「運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語」で2013年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。著書に「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社)などがある。

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