オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

糖質たっぷりランチ→午後、調子が悪い…もしかしたら「2型糖尿病」の初期症状かも? 糖尿病専門医に聞いた

「ランチを食べた後、午後から何だか調子が悪くなる」。こうした症状に心当たりがある場合、実は「2型糖尿病」の初期サインかもしれません。糖尿病専門医が解説します。

ランチ後に調子が悪くなる人は要注意?
ランチ後に調子が悪くなる人は要注意?

 糖尿病の治療において重要な「早期発見」ですが、日常生活上で初期症状に気付くのは難しいもの。しかし、「ランチ後、午後から何だか調子が悪くなる」といった心当たりがある場合、初期の「2型糖尿病」の可能性が考えられるようです。

 2型糖尿病の“サイン”として起こり得る初期症状とはどのようなものなのでしょうか。自身も1型糖尿病歴30年で、著書に「血糖値を自力で下げるやり方大全」(フォレスト出版)がある、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

「夕方ごろに低血糖症状」は要注意

Q.そもそも、「2型糖尿病」とはどんな病気ですか。

市原さん「2型糖尿病は、『環境因子』(過食、運動不足、肥満、ストレス)と『遺伝因子』(両親や祖父母、姉妹が糖尿病など)が影響して発症します。日本人は元々、遺伝的にインスリンの分泌が少ないところに、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣の悪化による肥満が招いた『インスリン抵抗性』が加わることが原因です」

Q.2型糖尿病の初期症状が「食後」に現れることがある、というのは本当ですか。

市原さん「本当です。食後数時間が経過して、異様な空腹感や手の震え、冷や汗、頭痛、倦怠(けんたい)感があったら、『反応性低血糖』かもしれません。この反応性低血糖は、2型糖尿病の初期症状です。

食後に血糖値が急上昇すると、それを処理するために膵臓(すいぞう)からインスリンがたくさん分泌されるので、しばらくしたら低血糖になってしまいます。これが反応性低血糖です。昼食で取った糖質が多いと、インスリンが出過ぎて、夕方ごろに低血糖症状が出る人たちがたくさんいます」

Q.2型糖尿病のサインに、いち早く気付くためのポイントはありますか。

市原さん「2型糖尿病のサインとして、のどの渇き、頻尿、倦怠感、食後の眠気、足の痺れ、目のかすみ、体重減少などがあります。自分の体のわずかな変化にも気付けるように、意識しておきましょう。

先述の反応性低血糖は食後、特に夕方の時間帯に起こりやすいのが特徴です。甘いものを摂取するとその症状が改善されるときは、反応性低血糖の可能性が高いので、糖尿病専門医に相談してください」

(オトナンサー編集部)

【要注意】うそでしょ…? 実は「血糖値」が上がりやすい食べ物&飲み物10選

画像ギャラリー

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

コメント