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「入院1日あたり○○円」のがん保険に潜む“困窮”という落とし穴

がん患者の「困窮」が社会問題に

 がんに罹患すると、長期的な治療に入る割合は、筆者の感覚でも各種のデータからも3割程度です。こうしたリスクに対し、以前は「入院1日あたり1万円(金額は契約による)」という形で給付金を受け取れる、がん保険や医療保険が有効とされてきました。入院中は自動的に給付金が積み上がるため収入を補う効果があったのです。

 しかし、約10年前に小泉政権下で行われた医療制度改革により、2週間以上の入院については保険点数が下がる仕組みが導入されたため、多くの病院で「入院の短期化」が進みました。そうなると、以前のように長期間入院することができず「1日あたり○○円」という内容では、高額の給付金を受け取れないことになります。医療技術の発展(抗がん剤の進化)により生存率が上がっている一方、国の社会保障費は限界を迎え、入院は今以上に短期化し、傷病手当の上限が伸びることもないでしょう。

 この狭間に落ちてしまった、がん患者の「困窮」が社会問題化しています。そのため、保険会社から販売されているがん保険もその商品内容を日額型から、入院日数に関係ない一時金や、長期治療による収入減をサポートするものへと変化しています。最近、販売を開始したライフネット生命のがん保険などでその傾向が顕著です。そもそも「入院日数への給付」という考え方がなく、保証内容を一時金と治療中の給付金、また収入減に備える給付金だけに絞っており、こうした流れは今後、業界全体で加速していくでしょう。

 保険は一度加入すると何となくそのままにしがちですが、やはり定期的な見直しは必要です。特に医療保険やがん保険は時々の医療制度や社会保障に関連するため、制度が変わると「いざという時」に役に立たなくなる可能性があります。せっかく毎月支払っている保険料ですから、しっかりと“メンテナンス”してもらえると幸いです。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

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