債券バブルに警鐘 グリーンスパン氏の「ニューエコノミー」再び?
2006年までFRB議長を務めたアラン・グリーンスパン氏が「長期金利は低過ぎる」「債券価格はバブル」と発言。かつての「ニューエコノミー」講演に照らすと、同氏が低金利肯定に転じた時が債券バブル崩壊の時ということになりますが、いかに…。

経済ニュースで懐かしい名前を見かけました。1987年から2006年までの長きにわたって、米連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたアラン・グリーンスパン氏です。同氏はインタビューで「あらゆる尺度で見て長期金利は低過ぎであり、それゆえ(その水準は)持続不可能だ」「株価ではなく債券価格がバブルであり、市場はそのことに気づいていない」と語りました。
6月25日の「長期金利が低下…米債券市場では何が起きているのか」で、2000年代半ばの利上げ局面で長期金利が低下したことに関して、当時FRB議長だったグリーンスパン氏が「コナンドラム(謎)だ」と述べたエピソードを紹介しました。今度は、同氏がリアルタイムで、現在の長期金利が低過ぎると警鐘を鳴らしたわけです。
かつて「根拠なき熱狂」で株高に警鐘
株高について同氏は、長期金利が低水準であるためバリュエーション(価値評価)の面から正当化されるとの立場のようです。もっとも、長期金利が低過ぎると考えている以上、その修正で長期金利が上昇(急騰)すれば、株価が調整(急落)してもおかしくないとは考えているでしょう。
グリーンスパン氏といえば、株高に警鐘を鳴らした「根拠なき熱狂」というセリフが有名です。1996年12月の講演で「根拠なき熱狂が、正当化できる以上に資産価格を上昇させ、予測不可能かつ長期的な下落につながりかねないことを、私たちはどうやって知ることができようか」と述べました。日本の平成バブル崩壊を念頭に置いたものでした。
同氏の警鐘にもかかわらず、株価はその後も3年以上にわたって上昇を続け、その間IT株中心のナスダック総合指数は4倍になりました。それだけ、相場の天底のタイミングを判断するのは難しいということです。
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