ドル/円は115円を超えるのか? その鍵は米金融政策にあり
今年に入って、主に1ドル=110~115円のレンジで推移してきたドル/円ですが、米金融政策のあり方によっては、115円を超えてさらに上昇する可能性が高い、と筆者は考えています。
ドル/円は今年に入って、1ドル=110~115円を中心としたレンジで推移してきました。米金利が上昇することで、ドルはいずれ115円を超えてさらに上昇する可能性が高いと見ていますが、今回はその鍵を握る米金融政策について考えてみましょう。
年内利上げは「ほぼ五分五分」
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は7月12~13日の議会証言で、景気に楽観的な見方を示し、緩やかな利上げを継続する意向を表明しました。一方では、物価上昇率がFRBの目標である2%を下回って推移していることに懸念を示し、今後どの程度、物価が上昇するかは不確実とも指摘したのです。
イエレン証言は利上げに慎重な「ハト派」的であると市場に受け止められ、証言直後に市場金利は低下、ドルは下落しました。イエレン証言後のFFレート先物を見ると、市場は年内利上げの確率を「ほぼ五分五分」としているようです。
FRBが利上げに慎重なのは、物価上昇率が年初から低下し、「2%目標」とのかい離が広がっていることや、物価上昇圧力となりうる賃金が伸び悩んでいることが大きいでしょう。換言すれば、物価や賃金の上昇率が高まれば、FRBは現時点の想定よりもアグレッシブに利上げをすると言えるかもしれません。
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