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条例は実効性乏しく? 子どもはなぜ「オンラインゲーム」をやめられないのか

希薄な人間関係や閉塞感にも目を

Q.段階を追って話をするということでしょうか。

石川さん「そうです。子どもの側にすれば、親とオンラインゲームの話をし、内容や仕組みについて理解してもらえたと思えます。その上でゲームのメールを決めていけば、子ども本人も納得しやすいでしょう。理解せず頭ごなしに言われても、かえって反発を招きます。

親が子どもとオンラインゲームについてのコミュニケーションを取ることは、絶対に外せないものです。コミュニケーションを取れば、ルールを守れなかったときのペナルティーをどうするか、子どもの意見を取り入れて決めることができます。

どうしても子どもがルールを守らない場合は、時間制限のアプリやスマホの機能制限を導入するのも一つの方法です。アンドロイドのスマホでは、時間制限アプリや機能制限アプリが入手できます。これらを子どものスマホにダウンロードし、親が暗証番号を管理した上で、何時から何時までは子どもにゲームにアクセスさせないようにするというような設定ができます。

iPhoneの場合は、本体の『設定』から、『スクリーンタイム』という機能制限をかけることができます。時間制限やアプリ内の課金制限ができますから、親がしっかり管理することが可能なのです」

Q.家庭によっては、子どもがオンラインゲーム依存状態になることに関心がない親もいると思います。そうした家庭の場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

石川さん「確かに、そうしたことに関心のない親も一定数はいると思います。そのような場合、家庭だけでは限界があるので、外部からの規制が必要になります。香川県だけのような都道府県レベルではなく全国レベルでの規制も必要でしょう。

ただし、規制は単に『作ればいい』という話ではありません。現実的で実効性のあるもの、物理的に制限できるような機能を前提にする必要があります。例えば、オンラインゲームのアプリをダウンロードしたり、またはゲームにログインしたりするときに、親の承認コードを打ち込まないと遊べないという方法などが考えられます」

Q.子どものオンラインゲームへの依存を防ぐための肝は、人間関係なのですね。

石川さん「オンラインゲームへの依存は、『子どもの意思が弱いからやめられない』という、子どもの自制心のなさではありません。取材をしていると、現在の子どもたちは親ともLINE、学校の友達ともLINE、そしてお互いに深く交流しないといった、希薄な人間関係の中に置かれていることが多いように思えます。

現実世界に居場所を見いだせず、寂しかったり一人で悩んでいたりする。だから、ゲームの中の人間関係に救いや楽しさを求めてしまう。こうした子どもの現状を見ないと、オンラインゲームを規制しても、かえって子どもを追い詰めてしまうかもしれません。子どもたちの人間関係が希薄な社会、将来に希望を見いだせないという閉塞(へいそく)感についても、大人が考えてほしいと思います」

(オトナンサー編集部)

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石川結貴(いしかわ・ゆうき)

ジャーナリスト

家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに豊富な取材実績を持つ。ネット、スマホの利便性の背後にある問題に追った著書「スマホ廃人」(文春新書)は、国公立大学入試問題に採用されている。2020年から共同通信社の配信により、全国の地方新聞で「スマホ世代の子どもたち~大人の知らない最新事情」を連載。テレビ出演や全国各地での講演会など幅広く活動する。その他の著書は「子どもとスマホ」(花伝社)「ルポ 居所不明児童」(筑摩書房)など多数。

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