芸人“闇営業”問題、吉本経営陣の処分「減俸50%を1年間」は重い? それとも軽い?
「50%の減俸を1年間」は妥当?
Q.今回の不祥事では「50%の減俸を1年間」ということですが、この減俸額は妥当なものなのでしょうか。
刈谷さん「一般的な基準からすると、パーセンテージだけ見れば減俸の中では重い処分といえると思いますが、今回のケースでは、一体何に対する責任を取って減俸としたのか、はっきりしない部分があると思います。従業員である芸人が反社会的勢力とつながりがあるという疑惑が生じたことについて『会社の代表者が責任を負った』ということに過ぎないのか、それとも、真実を話したいという芸人に圧力をかけて、行動の自由を阻害したという疑いに対して『自分自身が責任を取った』のかということです。
前者の意味であれば重たい処分といえると思いますが、後者の場合は重い処分といえるでしょうか。会社は何が悪かったのか、全て会社が悪かったのか。謝罪の意思はあったと思いますが、会見ではその辺りがぼやけていたという印象です」
Q.経営陣が減俸となると、本人は自らの身を切り、責任を取ったという意識が強いと思います。しかし、世間から見れば、給与明細を見られるわけでもなく、本当に減俸をしているのか分かりません。減俸は、世間を納得させる手法として適しているのでしょうか。
刈谷さん「上場企業を含む会社法上の公開会社は、役員報酬の開示が義務付けられているので(会社法施行規則121条4号)、減額していないにもかかわらず減額しているとごまかすのは難しいと思われます。
また、非上場の会社でも報酬に関して税務会計上の申告は必要なため、世間に公表したことと異なる報酬であれば、申告内容に食い違いが出てきます。そのため、結局減俸していないことが明らかになったときのことを考えれば、大々的に発表しておいて減俸していなかったということは考えにくいです。ただ、やはり、世間一般に広く知られるわけではないので、責任の取り方として効果的かと言われると疑問です。他に方法がないのかもしれません」
Q.減俸で責任を取っていると世間に思わせる方法は。
刈谷さん「効果に疑問が残るとはいえ、会見をして公表する以上に、責任を取っていることを広く世間に知らしめる必要まではないと思います。例えば、給与明細を公表することなどが考えられますが、あえて、そのようなことをする必要まではないと思われますし、公表したこと自体をたたく人間も少なからず存在するでしょう。
さらに、給与明細が公表される1年後となれば、もはや世間の話題は違うことに注目が移っている可能性もあるので、企業の危機管理手法としてそのような方法を取ることは考えられません。今回の会見で納得できないという人は、減俸という処分が本当かうそかという話ではなく、単に『それだけか』という内容の重さに着目しているのではないでしょうか。その意味でも、何に対して責任を取るのかということを、しっかりと明確にしておく必要があったと個人的には思っています」
(オトナンサー編集部)

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