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花粉がつらい季節…会社に「花粉症」対策を求めることは法的に可能?

花粉症の労働者にとって、職場での花粉症対策の有無は大きな関心事。会社が花粉症対策を行うべきか、労働問題に詳しい弁護士に聞きました。

あなたの職場は、花粉症対策が行われている?
あなたの職場は、花粉症対策が行われている?

 本格的な花粉シーズンとなりました。花粉症に悩みつつ働く人にとっては、1日の大半を過ごす職場で、花粉症への理解や対策がしっかりなされているかどうかは、大きな関心事かもしれません。どれくらいの会社が花粉症対策を行っているのか、花粉症に理解がないとき、どのように対応したらよいのかを、労働問題に詳しい、グラディアトル法律事務所の刈谷龍太弁護士に聞きました。

「花粉症対策フロア」がある会社も

Q.働く人たちの花粉症の現状は。

刈谷さん「公的機関による調査はありませんが、花粉症対策に関するあるアンケートによると、花粉症の薬を飲んだ後の眠気や喉の渇き、頭痛などの副作用で、ほぼ2人に1人が仕事に支障をきたしているという結果が出ています」

Q.企業では、どのような花粉症対策をしているのでしょうか。

刈谷さん「例えば、花粉に悩まされない環境で働けるように、テレワーク(情報通信技術を利用して時間や場所にとらわれずに働くこと)を導入して在宅で仕事ができる体制を取っている会社もあります。

『花粉症手当』という名称で、上質ティッシュやマスク、目薬などの購入費を補助したり、現物を随時支給したりしている会社や、通院費用を年1回分は会社が負担するといったことを行っている会社もあります。

また、10秒で花粉が落とせるダストクリーナーを備えたエアシャワーと、空気洗浄機がある『花粉症対策フロア』を整備している会社もあります」

Q.労働契約法第5条には「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」とあります。花粉症対策を職場で行わない会社は、第5条に反しているといえますか。

刈谷さん「労働契約法第5条が規定する安全配慮義務は、『労働者が会社に指定された場所に拘束されることが原因で、労働者の生命や身体に生じうる危険について対策すべき義務』と言い換えることができます。

判例がないので、私見ですが、花粉は特定の場所に限らずどこにでも飛散しており、花粉症は特定の場所に拘束されることが原因で生じるわけではありません。そのため、会社が花粉症対策をする義務は、原則として安全配慮義務には含まれないと思われます。

ただし、例えば、杉の木の伐採など花粉量が局地的に多くなる場所で長時間の作業を強いられる場合、例外的に安全配慮義務に含まれると考える余地もあると思われます」

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刈谷龍太(かりや・りょうた)

弁護士

1983年千葉県生まれ。中央大学法科大学院修了。弁護士登録後、都内で研さんを積み、2014年に新宿で弁護士法人グラディアトル法律事務所(https://www.gladiator.jp/)を創立。代表弁護士として日々の業務に勤しむほか、メディア出演やコラム執筆などをこなす。男女トラブル、労働事件、ネットトラブルなどの依頼のほか、企業法務において活躍。アクティブな性格で事務所を引っ張り、依頼者や事件に合わせた解決策や提案力に定評がある。

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