アイドル刺傷事件きっかけに ストーカー規制法はどう変わったのか
東京都小金井市で昨年、発生したアイドル刺傷事件などを受けて改正ストーカー規制法が施行されました。今回の改正によって何が変わったのか、要点をまとめました。

ネット上の付きまとい行為に対する規制を盛り込んだ、改正ストーカー規制法が先日、施行されました。
その背景には、東京都小金井市で昨年5月、アイドル活動をしていた女性がファンの男に刺されて重傷を負った事件などがあるようです。
ストーカー行為が時に、せい惨な事件に結びつくことは共通認識となりつつありますが、今回の改正のポイントはどのようなものでしょうか。オトナンサー編集部では、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に取材しました。
SNSのメッセージも規制対象に
岩沙さんによると、改正前は、相手を実際に尾行したり、電話やファクスをしたりする行為が規制対象でしたが、SNSを使ったメッセージ送信やブログへの書き込みについては対象外でした。改正によって、拒否されているのにSNSでメッセージを連続送信したり、ブログに執拗な書き込みをしたりする行為が広く「付きまとい」と定義され、規制できるようになりました。
具体的には、2条1項5号が以下のように改正されました。
旧)電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること
新)電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること
この「電子メールの送信等」に、SNSを使ったメッセージ送信やブログへの書き込みが含まれるそうです(2条2項)。
また、ストーカー行為罪は従来、被害者からの告訴がなければ起訴できない「親告罪」でしたが、被害者が届け出をためらっているうちに重大事件に発展しないよう、被害者の告訴なしに起訴できるように変更され、捜査が進みやすくなりました。また懲役刑の上限引き上げなどの厳罰化も行われました。
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