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「14歳で妊娠させて逃げた」と放送された男性、人違いも妻子に家出され…法的な救いは?

テレビ番組のインタビュー中の女性が、偶然通りかかった男性について、「14歳で妊娠・出産させられた男性」と指摘。後に誤りと判明しましたが、男性の妻と子どもは家出してしまいました。“不幸な男性”に法は救いの手を差し伸べるのでしょうか。

女性と番組による行為の法的意味とは…

 民放バラエティー番組の街頭インタビューを受けていた女性が、「14歳で妊娠し、出産したが相手の男に逃げられた」と話しているところ、たまたまその男性が通過したと指摘、後にこれが誤りと判明した件が話題となりました。

 番組は今年7月10日に放送。「逃げられた男に9年ぶりに遭遇」などと紹介されましたが、番組を見た男性本人が「身に覚えがない」などと連絡し、番組と女性が謝罪する事態に。しかし、番組を見ていた男性の妻が夫の“過去の行い”に怒り、子どもと家を飛び出してしまったそうです。

 SNS上には、男性に対する同情の声が上がっていますが、番組や女性の行為はどのような法的問題をはらんでいるでしょうか。オトナンサー編集部では、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞きました。

名誉毀損罪が成立する可能性

 今回、故意ではないにせよ偽りの発言をした女性と番組にはそれぞれ、どのような法的ペナルティーが科されうるでしょうか。

 岩沙さんによると、今回のケースは名誉毀損罪が成立する可能性があります。刑法230条は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者はその事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」と規定しており、不特定または多数人が認識できる状態で、人の社会的評価を害する行為によって成立します。

「今回は不特定多数が視聴するテレビにおいて、女性と子どもを置いて逃げたという社会的評価を下げる事実を放送していることから、名誉毀損罪が成立するでしょう。同罪は、指摘された事実が真実かどうかにかかわらず成立するため、仮に本人で間違いなくとも、結論は変わりません」

 また、民事上は、不法行為に基づく損害賠償請求が認められる可能性があり、賠償額は10万~50万円程度とのこと。

 岩沙さんは、一家離散に追い込まれた男性について以下のように話しています。

「番組側の軽率な確認ミスによって、全く無関係の男性のご家庭が崩壊する事態となってしまい、心が痛みます。番組側が再発防止を徹底するとともに、男性と配偶者に真摯に謝罪するのは当然でしょう。えん罪であることが明らかになったので、夫婦関係が早く修復することをお祈りします」

(オトナンサー編集部)

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

弁護士

東京弁護士会所属。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ、不当解雇、残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に「ブラック企業に倍返しだ!弁護士が教える正しい闘い方」(ファミマドットコム)。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」(http://ameblo.jp/yoshiyuki-iwasa/)も更新中。頼れる労働トラブル解決なら<http://www.adire-roudou.jp/>。