インスタ映え…コインランドリーの洗濯機にお尻を入れて自撮りする女子、法的問題は?
「インスタ映え」する写真を、非常識とも思える場所で撮影する人たちに非難が上がっています。近頃はコインランドリーの洗濯機に腰掛けて自撮りする女性も。そうした行為に法的問題はないのでしょうか。

「インスタ映え」や「SNS映え」を目的に、さまざまな場所で写真を撮影する行為が流行しています。ルールと節度をわきまえていれば問題はないのですが、中には、他人の迷惑になるような場所や社会的に非常識とも言える場所で撮影し、周囲の非難を浴びるケースもあるようです。
近頃は、コインランドリーの洗濯機に腰を掛けて自撮りする若い女性「コインランドリーガール」も登場。これについて、SNS上では「コンビニの冷蔵庫に入るのと同じジャンル」「営業妨害行為」といった批判の声が上がっています。
今回は、こうした行為がはらんでいる法的問題について、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞きました。
建造物侵入や威力業務妨害の可能性も
コインランドリーガールの多くは、コインランドリーの洗濯機を利用するつもりがないにもかかわらず、その店内に入っていると思われます。
しかし、岩沙さんによると、建造物侵入罪の「侵入」は管理権者の意思に反する立ち入りのことをいい、洗濯機に腰掛けて自撮りする目的でコインランドリーに立ち入る行為もこれに該当するため、同罪が成立する可能性があります。過去の裁判例では、万引き目的でスーパーマーケットに入る行為や、暗証番号を盗撮する目的で、一般利用客を装い営業中の銀行支店出張所に立ち入る行為で同罪が成立しているそうです。
さらに、写真を撮るために利用者を追い出したり、洗濯機を壊したり、他人の洗濯物を大きく移動したりしてコインランドリーの営業を妨害すれば、威力業務妨害罪が成立する可能性も。また、洗濯機を壊した場合は器物損壊罪も別途成立しえます。他人の洗濯物を汚す行為も同罪が成立する可能性があるそうです。
コインランドリーに限らず、インスタ映えを狙って公共の場所などで他人の迷惑となりうる行為に及ぶ人もいますが、「友人に注目される写真を撮影したかったと言い訳をしても犯罪の成立は否定されません。お店の業務を妨害したり、物を壊したりすることのないよう法律とマナーを守って撮影を楽しみましょう」(岩沙さん)。
(オトナンサー編集部)
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