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毛先だけのはずが…短く切りすぎた美容院から慰謝料はもらえる?

美容院で、美容師さんにお願いした髪型と大きく異なる髪型にされた場合、慰謝料の請求やカット代金の返金は可能なのでしょうか。

美容院に慰謝料を請求できるのか

 法律の専門家である弁護士が、私たちの暮らしに身近な事象についてわかりやすく解説します。今回のテーマは「希望と大きく異なる髪型にされた場合、美容院に慰謝料を請求できるのか」、取材に応じてくれたのはアディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士です。

「美容院で『毛先の痛んだところを切って整える程度で』とお願いしたにもかかわらず、かなり短く切られてしまい、ショックを受けました。その時は頭が回らず、仕方なくお金を払って帰宅しましたが、今になって腹が立ちます。この場合、慰謝料はもらえますか。せめて、カット料金だけでも返してほしいです」

合理的なカットをしていたかどうか

Q.この場合、慰謝料をもらえるのでしょうか。

岩沙さん「結論としては、ケース・バイ・ケースですが、慰謝料が認められる場合もあると考えられます。実際に、キャバクラ店勤務の女性が希望と大きく異なるカットをされたとして美容院を訴えた裁判で、慰謝料請求が認められました。請求が認められるポイントは、美容師が客のオーダーに対して合理的なカットを行っていたかどうかです」

岩沙さん「ただし頭髪の状態や性質は人それぞれで、客が正確にオーダーを伝えるのにも限界があります。美容師には、できる限り客のオーダーに沿うように適切な方法でカットをする義務があると考えられますが、客の理想を完全に実現する義務までは認められません。今回の場合、どの程度カットすべきかは不明で、『痛んだところはすべてカットしてほしい』とも受け取れます。つまり、美容師がカット方法についてある程度、確認していることが前提ですが、予想以上に短くなったというだけでは、請求が認められない可能性が高いのです」

岩沙さん「とはいえ、美容師がカット方法について全く聞くことなく、勝手な判断でカットしていれば、慰謝料が認められる可能性もあると思われます。また、結婚式直前だったり、職業が役者やモデルで髪型の大幅な変更によって支障が出たりする場合も同様です。その場合、客側がそのような事情をきちんと伝えていたかどうかが重要になるでしょう。事情を伝えたのに、美容師が勝手な判断でカットをした場合、慰謝料が認められる可能性が高くなるでしょう」

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岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

弁護士

東京弁護士会所属。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ、不当解雇、残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に「ブラック企業に倍返しだ!弁護士が教える正しい闘い方」(ファミマドットコム)。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」(http://ameblo.jp/yoshiyuki-iwasa/)も更新中。頼れる労働トラブル解決なら<http://www.adire-roudou.jp/>。