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毛先だけのはずが…短く切りすぎた美容院から慰謝料はもらえる?

慰謝料の相場は低額にとどまる?

Q.慰謝料の相場はどれくらいでしょうか。

岩沙さん「具体的にどのような損害が生じたかによっても変わりますが、純粋に精神的な苦痛のみということを考えると、低額にとどまるものと考えられます。キャバクラ店勤務の女性の裁判では、気に入らない髪型で一定期間、過ごさなければならないことについての慰謝料を認めていますが、その他の損害と合わせた慰謝料額は30万円でした」

Q.カット料金は返してもらえるのでしょうか。

岩沙さん「先述の通り、美容師には客の理想を完全に実現する義務まではないと考えられます。希望と違う髪型にされただけで、『契約を果たさなかった』とまでは言えないでしょう。この場合は、お店と話し合って代金を取り戻すしかありません。ただし、美容師が適切なカットをしなかった場合には、代金の返還を求めることもできると思われます」

Q.美容院で発生しやすいトラブルにはどのようなものがありますか。

岩沙さん「美容院では、ハサミや染髪料などを用いることが多いため、美容師としては、客がけがをしたりしないように配慮する義務があります。ハサミで耳を切られたり、染髪料で皮膚に炎症が起きたりした場合は、損害賠償を請求することができます。このようなトラブルの際には、診断書を取っておくなどしましょう」

Q.今回のケースに関してまとめをお願いします。

岩沙さん「希望の髪型にならなかったケースで、仮に慰謝料の請求ができたとしても、元通りになるまでその髪型で過ごさなければならない期間は、金銭には代えられません。このような事態を防ぐために、まずは美容師さんときちんとコミュニケーションを取ることが重要です。また、美容院向けの保険もあり、通っている美容院が加入している可能性もあるため、トラブルが発生したら美容院の人としっかり話し合うことが先決でしょう。話し合いで決着しなければ、弁護士など専門家へのご相談をオススメします」

(オトナンサー編集部)

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岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

弁護士

東京弁護士会所属。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ、不当解雇、残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に「ブラック企業に倍返しだ!弁護士が教える正しい闘い方」(ファミマドットコム)。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」(http://ameblo.jp/yoshiyuki-iwasa/)も更新中。頼れる労働トラブル解決なら<http://www.adire-roudou.jp/>。