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「離婚貧乏」~別れた悪妻への高額支払いに悩まされる2人の男性の悲劇(上)

離婚貧乏の地域ごとの共通点

 そこで今回は、離婚貧乏の当事者(過去の相談者310人)を都道府県別に分け、各地域の共通点を紹介します。具体的には、前妻の異常性格のゆえん、離婚に至る難易度、前夫の収入の安定度、再婚や養子縁組に対する親戚の態度、婚外恋愛(離婚する前に交際開始)に対する寛容さなどですが、離婚貧乏の「県民性」を順番に見ていきましょう。

 各地域で最も多かったのは、北海道・東北は北海道(11件、3%)、関東は東京(47件、15%)、中部・北陸は愛知(26件、8%)、関西は大阪(28件、9%)、中国・四国は山口(3件、1%)、九州・沖縄は福岡(11件、3%)です。まず、田舎を代表して北海道の「離婚貧乏」を取り上げましょう。

「納得いきませんでしたが、精神的に限界だったので承諾してしまいました」

 苦虫をかみつぶすように声を絞り出すのは、高橋圭太さん(38歳、仮名)。圭太さんは、養育費として毎月6万円、慰謝料として毎月3万円の支払いを約束したと記憶しているようですが、どうやら口約束で終わらせた模様。移住者が少なく、地元民ばかりの田舎では、夫の友人や親戚、妻の友人や親戚が重複しているため、「なあなあ主義」がまかり通り、「信用」の2文字が頼り。「わざわざ一筆交わすなんて仰々しい!」という感じで、むしろ書面に残す方がおかしいという雰囲気。夫婦間で1000万円の大金が動く「契約」なのに証拠がないという、都会の人間にとっては信じられない収束を見せるのです。

 ところで、圭太さんが結婚当時、住んでいたのは札幌。離婚後、前妻は札幌に住み続けたのですが、圭太さんは前妻の影におびえながら暮らすことに耐えられず、離婚から半年で会社を辞め、アパートを引き払い、地元の函館に戻ってきたそう。しかし、函館の市内で就職しようにも求人数は札幌よりはるかに少なく、待遇の条件も悪く、数カ月間アルバイトで食いつなぎつつ、就職活動を続けたのですが、月15万円のバイト代だけで月9万円の養育費と慰謝料を払うのは到底無理。

 しかし、勝手に金額を減らしたり、振り込みを止めたりすれば、前妻が烈火のごとく怒り狂うのは目に見えています。そのため、圭太さんはカードローンに手を染め、不足分を穴埋めし、フリーターの身分なのに満額(9万円)を振り込み続けたのです。

「信じられません! まさか交通費が出ないなんて!!」

 結局、圭太さんを雇ってくれたのは水産工場しかなかったのですが、函館の実家から車で1時間もかかるので、そんなふうに憤るのも無理はありません。札幌時代の手取りは毎月23万円でしたが、電車通勤で交通費は会社持ち。しかし、函館では手取りが毎月20万円に下がり、さらに交通費は自腹。ガソリン代は毎月2万~3万円かかるので、札幌時代に比べ手取りは6万円も下がった計算ですが、圭太さんが苦しんでいるのは収入減だけではありませんでした。

※「下」に続く

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

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