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「離婚貧乏」~別れた悪妻への高額支払いに悩まされる2人の男性の悲劇(上)

離婚後も“悪妻”への支払いに悩まされる「離婚貧乏」。それぞれの地域の特性をよく表していると思われる、2人の男性のケースを紹介します。

「離婚貧乏」に陥った男性の実態とは?
「離婚貧乏」に陥った男性の実態とは?

 結婚相手が悪妻すぎると、夫の存在はいつでも、どこでも、何度でも出金できる「人間ATM」。打ち出の小槌ではなく「夫の手取り」が限度額というのが難点ですが、妻が夫の給料を管理する「小遣い制」は専業主婦の理想形です。

 しかも、夫の小遣いは余らないので、車の購入や家の新築、子どもの進学などで大きな出費を要する場合は「親のすねかじり」を命じられ、夫が実家へ行き、両親に頭を下げ、札束を持ち帰るしかありません。

 ようやく悪妻と離婚し、とうとう通帳を取り返し、「妻からの命令」から解放されたかと思いきや、一度結婚したら最後。離婚しても、「悪妻」という存在は「離婚のツケ」という形で亡霊のように付きまとうのです。

 悪妻と無傷で離婚するのは無理です。離婚に「ノー」と言う相手に「イエス」と言わせるのだから離婚の代償は高くつきます。子の養育費や妻の慰謝料、妻子が住む家の住宅ローンなどの「分割払い」を約束しなければ、悪妻は首を縦に振りません。結局のところ、夫は自分の給料を自分で管理できるようになっただけ。悪妻との籍を抜けたら、すべての縁が切れるわけではありません。

 トンネルを抜けると、また次のトンネルの入り口という感じで、「妻に搾取される」という現実は何も変わらないのです。このように、前妻への支払いに悩まれる現象を「離婚貧乏」と呼びます。

 しかも、離婚後、前妻に対して支払いの猶予や月額の減額、一部の免除を求めようものなら大変です。すでに離婚した元夫婦同士なので遠慮する必要はなく、罵詈(ばり)雑言が飛び交い、辛辣(しんらつ)な言葉が乱れ飛び、非難の雨嵐です。例えば…。

・お前とはさっさと縁を切りたいからと、最低限の養育費だけ決めて離婚したのに、「無理だから減らしてほしい」って何なの? こっちも生活があるのだけど! 〇〇も滑り止めの私立(高校)に合格したから、むしろ増やしてほしいと思っていたのに…減らしてほしいってばかじゃない?! 給料が下がって苦しいなら土日にバイトしなさいよ!!(〇〇は子どもの名前)

・あんたが「どうしても離婚したいから」って土下座して、月10万の慰謝料を「一生」払うって言うから別れてやったのに…今月の分が(口座に)入ってないんだけど! 慰謝料をくれないんじゃ、何のために離婚したか分からないじゃない、この詐欺師! 今月は苦しい?! それなら借金してでも払えよ! 1部上場企業に勤めているんだから、いくらでも借りられるでしょ? これ以上、私たちを苦しめないでよね!

・昨日、銀行からはがきが来たんだけど、どういうこと?! 今月の住宅ローンが落ちてないって…あんたが勝手に出て行って〇〇に寂しい思いをさせたことを忘れたの? 取り残された私たちのことをどう思っているの? そういえば…あんたが死ねば住宅ローンはチャラになるのよね? いっそのこと死んでわびれば? あんたがどうなろうと住宅ローンさえ返済してくれれば、私はどっちでもいいから!(〇〇は子どもの名前)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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