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「離婚貧乏」~別れた悪妻への高額支払いに悩まされる2人の男性の悲劇(上)

「一度決めた金額は変わらない」が妻の常識

 ところで、離婚時から、家族構成や経済状況が変化した場合、一度決めた養育費を途中で見直すことは法律で認められています。そのため、「やっぱり無理だわ」とだまし討ちを食らわすのはおかしなことではありません。

参考)民法880条
「扶養をすべき者もしくは扶養を受けるべき者の順序または扶養の程度もしくは扶養方法について協議または審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議または審判の変更または取り消しをすることができる」

 しかし、法律と常識は別です。法律はともかく、「一度決めた金額は変わらないでしょ。何があろうと最後まで払ってもらうわ」というのが妻側の常識です。だからこそ、途中で減額、免除を求めてくる前夫はあまりにも無計画で無責任、無神経だとバッサリ切り捨てるのです。

 しかも、「再婚した女との間に子どもを授かる」「無能社員の前夫が残業代削減でアップアップ」など、事情変更の中身が「前夫の自己都合」ならなおさらです。勝手に養育費などの支払いを止めた前夫(男性)の言い分を紹介すると…。

・前妻との結婚期間中、バレないように付き合っていた一回り下の彼女が離婚を待たずに妊娠。出産する前に何とか離婚は成立したけれど、前妻の子の養育費を払いつつ、現在の妻と子を養うのは無理。どちらの子どもも平等でしょ? こっちだけ貧しい思いをするのは不公平なんじゃないかって! 離婚届と婚姻届を同時に出したことを勘付かれたみたいで、今さら(不倫の)慰謝料だなんて言っていますが、だまされる方が悪いって思いませんか?

・いろいろ口実を作って遅くまで会社に居座ったり、土日に出勤したりして捻出した残業代を頼りに前妻へ慰謝料を支払ってきたけれど、基本給と残業代が同額なのはおかしいと人事部に指摘されて残業代が出なくなってしまい…うちの会社は年功序列だから、離婚の時より給料は増えているけれど、基本給だけじゃ慰謝料を払うのは100%無理だし、どうせ慰謝料はあぶく銭みたいなもので、前妻も生活に困っているわけじゃないんだから、「あるとき払い」でいいでしょ!

・当時は離婚したい一心で大盤振る舞いしたけれど、さすがに見栄を張りすぎました。手取りが20万円なのに養育費は3人で12万円でOKしたのは、どうしても前妻と別れたかったからです。とにかく前妻の存在が怖くて怖くて仕方なく、思い出すだけでじんましんが再発しそうです。

・最後までちゃんと払えるのかを計算したわけではないんですが、今さら前妻と連絡を取るなんて無理です。だから、足りない分はカード(ローン)で穴埋めしていたんですが、ボーナスで返すこともできず、雪だるま式に膨れ上がってしまって、今では200万円を超えています。養育費を少しでも減らせば前妻にバレるのも時間の問題だから、借金の方を優先したいし、養育費は今月限りでやめるつもりです。

・前妻も、こんな高い養育費を最後までもらえるわけがない、どうせ途中で止まるだろうから最初だけもらえればラッキーだと思っているんじゃないですか。だいたい僕の周りに養育費を払っている律儀な奴なんていませんよ!

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

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