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「オス」「メス」「交尾」の3種類 “カードゲーム”で性教育を行う企業の授業、その狙いは?

「命の始まりの行為」ゲームで学ぶ

Q.性教育のカードゲームを考案した理由は。

のじまさん「子どもたちが分かりやすく学べるようにするためです。親は、ひとっ飛びで『セックス』の話に持っていきがちです。段階を追うにはどうすればよいかを考えて、子どもたちが好きな動物に着目しました。動物も人間も交尾や性交をして命をバトンでつないできたのだから、まずはここを遊びながら楽しく伝えようと思い、ゲームを考案しました」

Q.カードゲームのポイントを教えてください。

のじまさん「カードがそろうと『受精!』と叫ぶルールです。『受精』という言葉が口にできるようになると『じゃあ、受精ってなぁに』『交尾ってなぁに』という話ができるようになります。口にすること、言い慣れることで、まずは『性の話は恥ずかしい』という意識を取り除いてあげることが大事です。

カードゲームを通じて子どもたちは、生き物には『命の始まりの行為』があり、それは決して恥ずかしいことではないと知ります。親にもゲームを体験してもらい、『交尾』『受精』『性交』という言葉を難なく言えるようになってもらいます。そうすると、セックスまでの話ができ、セックスの話ができて初めて、『愛し愛されてあなたが生まれたんだよ』という話や性感染症の話、性犯罪から身を守る話など、親が言いたいことを話せるようになると思うのです」

Q.カードゲームがない場合、どのように段階を追っていけばよいですか。

のじまさん「一番話しやすいのは、お風呂場です。裸で入るので異性の体の違いも話せます。その時に、お風呂場でパンツを洗うことをきっかけとして、性の話をしてほしいのです。例えば、男の子であれば、将来的に精通が起きてパンツを汚すこともあるかもしれません。でも、それは『大人の男の人になった証しなんだよ、楽しみだね』と言えば、素直に聞いてくれます」

Q.パンツを洗うのも、子どもが幼い頃からした方がよいのですか。

のじまさん「1回で終わらせるのではなく、積み重ねと習慣が大事です。親は1年言わなかったら、照れが逆戻りするし、子どもも忘れてしまいます。早いから分からない、早いからできない、早いから恥ずかしいというのは、親の勝手。早ければ早いほど、子どもは性をいやらしいものだとか、汚らしいものだとか、マイナスのイメージで捉えません」

Q.講演の依頼も多いそうですね。

のじまさん「小学校や子育て団体などから依頼が後を絶ちません。それだけ、性教育について悩んでいるお母さんが多いのだと思います。1回の講演に数百人が集まります。教科書に書かれている性教育でなく、自分にもできる性教育を聞きたいのだと思います」

Q.今後、日本の性教育はどのようになればよいですか。

のじまさん「将来的に学校と家庭が連携して性教育ができれば、こんなに心強いことはありません。しかし、学校が変わるには時間がかかります。そこで、まずは家庭から始め、家庭が変わることで学校も変わっていければ、と思っています」

(報道チーム)

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