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ストリートビューに“バイク転倒”の瞬間が写って撮影車に疑惑の目「救護義務違反では」、法的には?

「Googleストリートビュー」にバイクが転倒する瞬間が写り込んで話題になっています。SNS上には「救護措置義務違反では」などの声が上がっていますが、果たして法的問題はないのでしょうか。

バイク転倒の瞬間を捉えた画像(@ryu06030321さんのツイッターより)

 バイク事故の瞬間を捉えた「Googleストリートビュー」の画像がSNS上で話題になっています。画像は、山道を走る1台のバイクがカーブを曲がろうとして転倒している瞬間のもの。これに対し「Googleカーを避けようとして転倒したのでは」「Googleカー助けてあげたのかな」「救護措置義務違反では」などの声が上がりました。

 この場合、いわゆる「Googleカー」は救護措置を行う義務に違反しているのでしょうか。オトナンサー編集部では、芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

死傷を伴う「ひき逃げ」、伴わない「当て逃げ」 

Q.救護措置義務違反に該当する行為とその罰則について教えてください。

牧野さん「交通事故における救護措置義務違反は、正式には『救護義務違反』のことで、人の死傷を伴う事故の場合は『ひき逃げ』、物損事故など人の死傷を伴わない事故の場合には『当て逃げ』と呼ばれます。道路交通法第72条は『交通事故があったときは当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、ただちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない』と規定しています。救護義務は交通事故の当事者である加害者と被害者の双方に課せられます。処罰対象は『交通事故の当該車両等の運転者その他の乗務員』と規定され、違反時の罰則については、ひき逃げは事故の原因となった運転者が『10年以下の懲役または100万円以下の罰金』、その他の乗務員は『5年以下の懲役または50万円以下の罰金』、当て逃げは『1年以下の懲役または10万円以下の罰金』。『車両等』は自動車や原動機付自転車などが対象。『乗務員』は車掌や添乗員など運行補助者を指し、単なる同乗者は含まれません」

Q.今回のGoogleカーの行為は救護義務違反に該当するのでしょうか。

牧野さん「救護義務が課されるかどうかは、Googleカーが当該交通事故の当事者であるかどうかが問題となります。たとえば、Googleカーがバイクに接触したり、バイクが転倒する原因を引き起こしたりしていた場合、交通事故の当事者となるので、救護義務が課されるでしょう。しかし、転倒の原因を引き起こしておらず、単にカメラに収めたにとどまる場合は、道義的にはともかく、法的には交通事故の当事者ではないので救護義務は課されないでしょう」

(オトナンサー編集部)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。