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「子どもの側にいろ」…働くママを傷つける言葉にどう対抗できるか

「仕事に復帰したら、子どもの側にいろと言われた」など、働くママが言われて傷ついた言葉がSNS上で話題に。これに対して、たくさんの応援の声が寄せられています。

何気ないひと言が働くママを傷つけている

「働くママが周囲に言われて傷ついた言葉」がSNS上で話題になっています。その内容は「子どもを預けて仕事に復帰したら、子どもの側にいろと言われた」「専業主婦にさせてくれる夫を選ばなかったことを責められた」「仕事が好きで復帰したのに経済的に苦しいのだろうと憐れまれた」といったもの。これに対して「考え方が古い」「大きなお世話」「気にすることないよ」などの応援コメントが多数寄せられました。

慰謝料を請求できる可能性も

 芝総合法律事務所の牧野和夫弁護士によると、こうした言葉を浴びせられて「うつ病」などの病気になり、精神的な損害を被った場合、民法709条の「不法行為(故意・過失により他人の権利を侵害した者はそれにより発生した損害を賠償しなければならない)」に基づき、慰謝料を請求できる可能性があります。

 SNS上では「マタハラでは」などの指摘もありますが、マタハラはあくまで「雇用上」の話であり別物。牧野さんは次のように話します。

「マタハラとは『マタニティーハラスメント』の略称であり、妊娠や出産、育児を理由として、会社が退職の強要や降格など雇用上の不利益な取り扱いを行うことです。男女雇用機会均等法は、会社が労働者にこのような不利益をもたらす取り扱いを行うことを禁じています。マタハラはあくまで『雇用上の』不利益な取り扱いであって、働くママが職場ではなく、周囲の友人に言われた言葉で傷ついてもこれに該当しません」

 ただし、こうした心ない言葉を会社の上司から言われた場合であって、最終的に会社から解雇や減給、配置転換などの不利益な処分を受けた場合、マタハラに該当する可能性があります。

「それらの雇用上の不利益な取り扱いに対して是正を促したり、損害賠償請求を行ったりするには、事業所を管轄する労働基準監督署や弁護士への相談をオススメします」

(オトナンサー編集部)

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。