「高齢者向け分譲マンション」で新型コロナ感染者が出ない理由
運動不足やストレス対策も
今回のコロナ禍で、高齢者にとってもう一つ問題となったのは、外出自粛による運動不足やストレスの蓄積でした。高齢になると筋力の衰えが早い上、一度衰えた筋力はなかなか戻りません。また、交流がないと抑うつ傾向が強まります。中楽坊でも、運動イベントや各種サークルが全て休止されたので、この点をどうしていくかを入居者と検討したそうです。
対策の一つは、館内放送を使った「ラジオ体操」。集まって“密”にならないよう、自宅の玄関前で体操をしているそうです。もう一つは、マンション周辺にウオーキングコースを8つ設定し、全て制覇したら景品がもらえるという企画。このウオークラリーの参加者は、入居者の半数近くになるそうです。いずれも、運動不足と孤独の両方を解消できる、いい企画だと感じます。
中楽坊の話から感じるのは、コミュニティーの存在とその重要性です。いざというときには、バラバラで行動するのではなく、全体で話し合って決め事を守る。不便や困り事があれば皆で知恵を出し、助け合い、励まし合う。コミュニティーには危機に際して、しなやかに対応できる強さがあると改めて感じさせられます。
(NPO法人・老いの工学研究所 理事長 川口雅裕)

コメント