マスク着用でのジョギングは「熱中症」のリスク? どうやって走るべき?
外出自粛や在宅勤務が長引き、運動不足の解消にジョギングをする人が増えていますが、マスクは着けたままジョギングをした方がよいのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、外出自粛や在宅勤務が長引いている人が多いと思います。家にこもりがちになることから、運動不足の解消のためにジョギングを始める人が増えていますが、専門家は「ジョギング中もマスクを着けてほしい」と呼び掛けています。
一方で、マスクを着けてジョギングをすると、熱中症になるリスクが高まるそうです。マスクを着けてジョギングするのは避けた方がよいのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。
ジョギング中は10メートルが必要
Q.マスクを着けてジョギングすると、熱中症になるリスクが高まるのは本当ですか。
市原さん「本当です。マスクをすることで熱がこもりやすくなったり、口の中の湿度が保たれて喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取量が減ったりすることが理由です」
Q.新型コロナウイルス感染症が終息していない中でジョギングをする場合、マスクを着けて、ソーシャルディスタンスを心掛けるだけでは、感染防止策としては不十分なのでしょうか。
市原さん「不十分です。ジョギング中は呼吸が荒くなっているので、飛沫(ひまつ)が広範囲に広がる可能性があるためです。通常のせきやくしゃみによる飛沫対策としては、2メートルの距離を保つことで感染を防げますが、ジョギング中の飛沫の動きは通常よりも大きいと考えられています。
ジョギング中の飛沫の動きをシミュレーションした研究では、前後各10メートル以上は距離を保った方がよいことが分かりました。常に周囲と10メートルの距離を保つことは難しいので、マスクによって周囲への飛沫の拡散を防ぐことは重要です」
Q.気温や湿度が高いと、マスクを着けて散歩しただけでもつらくなりそうです。マスクを着けずにジョギングを行い、人とすれ違うときにはタオルなどで口をふさいですれ違うことは、感染対策として有効でしょうか。
市原さん「多少は意味があります。ただし、人とすれ違う瞬間ではなく、人とすれ違いそうになる前、できれば10メートル以上前からタオルなどで口を覆うことができれば、飛沫の拡散による感染を防げると思います。
とはいえ、ジョギングをしながら、10メートル先に人が近づくたびにタオルで口を覆うことを繰り返すのは、あまり現実的ではないような気がします」
Q.マスクを着けてジョギングをする場合、どのようにすれば熱中症になりにくいですか。
市原さん「ジョギング前に水分補給をしっかりと行いましょう。ジョギングを開始する1時間前くらいまでに、計500ミリリットル程度の水分摂取をしておく方がいいと思います。人がいない場所ではマスクを外してもいいですし、適宜休憩を挟んで、マスクの扱いに注意しながら、ジョギングの途中でも水分補給をすることです。
30分おきに200~300ミリリットル程度、1時間で500ミリリットル入りペットボトル分の水分を飲み干す程度から試してみることをおすすめします。
それと、基本的なことですが、炎天下でのジョギングは避け、朝晩の涼しい時間帯に走りましょう。また、マスクは熱を体内にこもらせてしまう働きがあるので、服装で調整してください。なるべく通気性のいい、首周りの開いた服がいいでしょう」
Q.マスクをしてジョギングするよりも、気温や湿度を下げた自宅で、室内でできる運動を行い、運動不足を解消する方法もあるのでしょうか。
市原さん「ジョギングだけが運動不足を解消する方法ではないと思います。屋外でのジョギングに慣れていない人は無理をせず、室内での運動でも十分です。
今は外出自粛が続いていることで、室内でできる運動の動画がネット上に数多く投稿されています。オンラインで参加できる体操などもあるので利用してみましょう」
(オトナンサー編集部)
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