犬の室内飼いでも「混合ワクチン」は必要? 「狂犬病ワクチン」との違い&犬の予防薬を服用する前の“意外なルール”とは
「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」は何が違うのでしょうか。獣医師に聞きました。

犬を飼う場合、法律によって「狂犬病ワクチン」の接種が義務付けられています。一方、犬のワクチンには「混合ワクチン」という任意接種もあります。義務となっている狂犬病ワクチンと、混合ワクチンは具体的に何が違うのでしょうか。また、任意であってもワクチンは接種した方がよいのでしょうか。獣医師の椿直哉さんに聞きました。
定期的なワクチン接種を推奨
Q.「狂犬病ワクチン」の接種が法律で義務付けられている一方、「混合ワクチン」は任意です。ライフスタイルに合わせて「最低限これだけは検討してほしい」という判断基準はありますか。
椿さん「狂犬病ワクチンは接種義務が法律で定められているため、任意接種の混合ワクチンとは明確に分けられています。混合ワクチンは、ジステンパーやパルボウイルス感染症など、複数の感染症のワクチンを一度に接種できるものです。
ワクチンを検討する基準として、散歩やトリミング、ペットホテルの利用など、外に出ることによる接触リスクが挙げられます。すでに他の子が感染していて、外出先でもらってしまうことは十分考えられます。仮に、ほとんどないケースだと思いますが、完全に室内飼いでまったく外に出ないとしても、人の出入りや動物病院への通院などで感染リスクがゼロになることはありません。そうなると任意とはいえ、混合ワクチンの接種は必要だと言えます。
また、万が一感染症にかかってしまったとしても、ワクチンを接種していれば症状の軽減、もしくは発症を抑えることができるため、特に重要なのは子犬の時期やシニア期の子、そして基礎疾患があるといったケースです。内分泌系の病気、糖尿病、心臓病、腎臓病などを持つ子は、病原体に感染するとどうしても健康体の子と比較すると回復が遅くなってしまったり重症化するリスクが高くなってしまうため、定期的なワクチン接種を推奨しています」
動物病院が混雑する時間帯は?
Q.動物病院が比較的空く時間帯や混雑する時間帯について、教えてください。
椿さん「空いている時間帯を正確に予測するのは難しいのですが、反対に混雑しやすい時間帯というのは、土日祝日の午前中になることが多いですね。そのため、混雑を避けるのであれば、土日祝の午前中を外していただくのがよいでしょう。平日でも、午前と午後を比較すると午後の方が患者は集中しにくいと思います。
とはいっても、病院の立地や患者のライフスタイルなどによっても混み具合は変わってくると思います。事前に比較的空いている時間帯をお問い合わせいただくのも、病院側にとってはありがたいことです。
ただし、ワクチンを接種する場合は、数時間後に副反応が現れるケースなどがあります。万が一体調に変化があった場合すぐに診察できるよう、なるべく午前中に接種を終えた方がよいでしょう」
フィラリアの予防薬の服用前に血液検査が必要な理由
Q.フィラリアの予防薬を服用する前は、必ず血液検査が必要とされていますが、なぜなのでしょうか。
椿さん「フィラリアの予防薬は、フィラリアというミミズのような形をした寄生虫が体内で成長するのを防ぐ薬です。毎月投与することで、感染初期の幼虫を駆除し、成虫になる前に予防する仕組みになっています。
ところが、もしすでにフィラリアに感染している犬が予防薬を服用すると、体内にいる幼虫が一度に駆除されることになります。その際に体が強い反応を起こし、体調不良を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。感染数が少なければ軽い症状で済むこともありますが、感染状況によっては重篤な状態になる可能性もあります。そのため、必ずフィラリアの感染がないことを血液検査で確認してから予防薬を開始することが重要です。
フィラリアは蚊が媒介として感染するため、蚊が発生し始める時期からシーズン終了まで、月に1度の投与が基本になります。薬があるから大丈夫と思っていても、実際には飲み込めていなかったり、吐き出してしまったりするケースもあります。そのため、継続して予防している犬であっても、毎シーズン開始前に検査を行ってから投与を始めるというのが原則です」
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任意接種とはいえ、飼い犬が感染症にかからない可能性はゼロではないため、特に外出することが多い場合は定期的なワクチン接種を実施した方が安心できます。健康で長く暮らすためにも、ワクチンや定期検診などの実施を心掛けるのが良さそうです。
(オトナンサー編集部)












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